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ユーザー目線でAIへの興味と好奇心を引き出す「キッズAIスクール」に込めたこだわりとは?

作成者: LINEヤフーコミュニケーションズ編集部|Jun 14, 2024 1:38:30 AM

 

こんにちは!LINEヤフーコミュニケーションズAI運営部の山下明子です。

私たちの生活をさまざまな形で便利にしてくれるAI。
スマートフォンの音声アシスタントやAI搭載家電、Webサイトのレコメンド機能など 、大人から子どもまで暮らしの中で自然とAIに触れ合っています。
AI運営部では、今年3月に開催された「ワークショップコレクションin福岡 2024」への出展を機に「キッズAIスクール」というコンテンツを企画・制作しました。

関連記事:「ワークショップコレクション」出展についてはこちらで詳しくレポートしています

 

AIが身近な技術となっている現在、「子どもたちにAIのことを楽しくわかりやすく伝えることで、AIへの興味と好奇心を引き出すきっかけを作りたい」という想いで、ユーザー目線を徹底してコンテンツを制作しました。
「キッズAIスクール」で、私たちがこだわった部分はどういったところなのか、企画担当者数名で振り返ってみました。 

 

3部構成で子どもの達成感を刺激!「キッズAIスクール」とは?

山下: 「キッズAIスクール」は、「AI勉強会」「AIアバタークイズ」「AI学習認定証」の3つのコンテンツで構成されていますよね。どうしてこのような構成にしたのですか  ?

日下部: 多くのアイディアから選定する過程で「子どもたちが楽しみながら学び、何かを形にして持ち帰ることができるようにしたい」という意見でまとまりました。これを「学んで→挑戦して→達成した証をプレゼントする」という3つの構成にわけて、それぞれコンテンツを作ることになったんです。

岩井:結果、この構成に合わせて「AI勉強会(学ぶ)」「AIアバタークイズ(挑戦する)」「AI学習認定証(達成した証)」 の3つのコンテンツが誕生しました。構成が決まるとすぐにそれぞれの担当者をアサインし動き出しましたよね。
原山:これまでも、部署のコミュニケーション施策などでAIを楽しく学ぶ機会を何度も経験していたので、もともと部署にはAIを楽しむカルチャーが根付いていたこともあり、スムーズだった気がします。いつもと違う点はターゲットが子どもたちであることです。楽しみつつも達成感が生まれ、AIにもっと興味をもってもらえるような工夫を考えることにしっかりと時間をかけられました。

子ども目線で考え抜いた、細部へのこだわり

ChatGPTではじきだしたプロットを子ども目線でローカライズ


山口:「AI勉強会」では、AIロボットと男の子の会話形式でストーリーが進んでいくことで、参加者も一緒に勉強しているような体験となるよう工夫しました。会話のセリフは合成音声を作成し、子どもが聞いてもスッと理解できるやさしい表現にこだわりましたね。
全体のストーリーは、まず対象年齢等の情報を入力し、ChatGPTを使って適切な内容を生成しました。その後、子どもたちにさらに伝わりやすいように私たちが微調整を行いました。たとえば、「創造的な」という言葉を聞くと、大人は前後の文脈から「想像ではなく創造だ」と理解しますが、子どもたちは誤解するかもしれません。理解を妨げる言葉はわかりやすいものに置き換えて、ブラッシュアップしました。

調整前(ChatGPT作成) 調整後(より理解できるやさしい表現に書き換え)  
生成AIは創造的な作品を作り出す 生成AIは新しい作品をどんどん作ってくれる
テキスト生成で瞬時に文字がかける テキスト生成でパパッと文字がかける
現実と空想をしっかり区別する 作ったことを本当にあるようにいってしまうと大変なことになる    

 

山下:技術的な話よりも、生活の中でAIが使われている事例や話題の生成AIをメインとし、とにかく身近に感じてもらう内容とした上で、気をつけないといけないこともしっかり伝えました。学校の宿題や教科書を例に出したのも、ユーザー目線で考えた工夫の一つでしたね。

司会進行から補足を入れることで、子どもたちに考えてほしい部分が明確に伝わるよう配慮

社員の子どもにも実際に試してもらい微調整を重ねた

岩井:「AIアバタークイズ」では、直感的に楽しめることを追求して設計しました。事前にお子さんがいるメンバーに協力してもらって、5歳前後の子ども数名に試作段階のクイズに挑戦してもらうテストを行ったんです。
結果、画面を見ながら集中できる時間がだいたい10分以内であることや、問題毎の正解率がわかったので、わかりやすいものから出題するように整えたり、集中が途切れないように回答方法を変えたりしました。

櫻木:テストはとっても役に立ちましたよね。
回答方法については、手をあげてもらう、指で正解を示してもらう、ホワイトボードに書いてもらう、拍手をしてもらうなどアクションを数種類設定することで、飽きさせない工夫をしました。
演出に関しても、2人いる司会進行の掛け合いをテンポよく行うために、通しでリハーサルを重ね、拍手のタイミングや身振り手振りにいたるまで話し合い、台本を磨きあげました。参加する子ども目線で徹底的に考えぬけたと思います。


台本に細かく記載された各演出(拍手や動作の指示まで!)

 

子どもたちがもらって嬉しい言葉を認定書に記載

原山:「AI学習認定証」は、「認定」など子どもがもらって嬉しい言葉を想像しながら作成しました。特に「今日からまわりのおともだちにもAIのことを教えてあげてください」の文章は、子どもたちが自分を誇れる気持ちになってくれたらいいなと思い記載しています。
実際に、認定証を受け取ったお子さんがとても嬉しそうにしていたのが印象に残っています。     

 

きらりと光る、子どもたちの鋭い観察力

日下部:制作メンバーがユーザー目線で考え、実行してくれたことがまさに、楽しさや面白さに直結していたと思いますね。
意外だと感じたのは、AIアバタークイズが実は大人が間違うことが多いということです。もともと子どものほうが着眼点が鋭かったりするんでしょうね。
AIが書く絵の特徴や細かなポイントを、子どもたちがしっかり学びとってくれたんだと感じました。

 

もらって感激した「AIたのしい!」という言葉 - 生成AI EXPO in 名古屋

山下:「ワークショップコレクション in福岡 2024」への出展をきっかけに、「生成AI EXPO in 名古屋」の主催者様からもお誘いいただき、名古屋でも「キッズAIスクール」の出展が実現しましたね。   

日下部:名古屋では約100名というたくさんの親子にご参加いただきました。
参加したお子さまから、クイズで使用したホワイトボードに、「AIたのしい!」という言葉もいただいたんです。私たちの目的にもばっちりあった感想でとても光栄でした!
親子問わず、直接「楽しかった!」「ありがとう!」をいう声もいただいて、私自身もとても嬉しい気持ちになりました。


「AIたのしい!」と左上に書かれたホワイトボード

 

まとめ

2つのイベント出展で直接ユーザーと接する機会をいただき、ユーザーファーストで練り上げたコンテンツを提供する重要性を改めて感じました。
ワークショップ「キッズAIスクール」は、少しでもAIを身近に感じてもらい理解が深まることを目指し取り組んできました。 参加した子どもたちが、AIに楽しさを感じ興味をもつきっかけとなっていれば最高に嬉しいです!

AI運営部は「AI運営の先駆者を目指し続ける」というビジョンを掲げています。これからもモアプロフェッショナルの精神で、新しいチャレンジを重ねていきます。