「WOW」と「!」を形に。現場社員たちが創り上げたFACTBOOKの制作裏話

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こんにちは!LINEヤフーコミュニケーションズ広報の江國です。

2023年10月に、ヤフーサービスとLINEサービスの運営を担ってきた2つの組織が統合し、LINEヤフーサービスの運営を担う会社「LINEヤフーコミュニケーションズ」が誕生しました。

新会社の概要とカルチャーを社内外に伝えるため、構想から半年以上かけ、この度FACTBOOK(※)を創刊しました。このFACTBOOKには、さまざまな仕掛けや思いが詰まっています。

本記事では、FACTBOOKのプロジェクトにメインで関わった翻訳・クリエイティブのメンバーに、制作の裏話やプロとしてのこだわりのポイントを伺いました。

※企業のサービス、歴史や業績を伝えるために数値データや事実を元に情報をまとめた資料のこと


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FACTBOOKのこだわりポイント3つ

  1. LINEヤフーサービスに携わっている当社社員のスキルがわかる
  2. 紙で作る価値を見直し、冊子版は少部数に
  3. 当社の「これまで」と「今」がわかる

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Factbook1当社の誕生までの歴史を伝えるため、前身であるヤフーカスタマーリレーションズ(後のヤフーCS統括本部)と、LINE Fukuoka双方の軌跡を一つの年表にまとめ、「今」を伝えるために、男女別管理職比率や職種別人員構成比率、男性育休取得率などの最新人事関連データのページも制作しています。

 

プロジェクトメンバー紹介

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FACTBOOK制作メンバーに聞いた「制作の裏話」

LINE GAMEの翻訳チームがFACTBOOKの翻訳を担当。より細かいニュアンスが伝わるようにワードを突き詰めた

ー本を通して当社社員のスキルを伝えるため、LINEヤフーサービスのクリエイティブや翻訳を担当している現場社員の皆さんに、FACTBOOKの制作を担当していただきました。制作を通して普段の業務を活かせた点やチャレンジした点はありましたか?

ジェームズ:普段はLINE GAMEの翻訳をしているのですが、その世界観を崩さないような表現にしています。
FACTBOOKにおいても、フォーマルでありながらLINEヤフーらしい挑戦的でカジュアルなニュアンスを英語で表現するように心がけましたね。
制作陣が短くて日本人にも馴染みのある英語表現を希望していたことがあり、ニュアンスを崩さざすに翻訳するのも難しかったですね。
ジェームズさん3

サブーラ:普段からUI/UXを意識して、本来伝えたいニュアンスを表現しつつも見た目のバランスも意識したワードを選択しているので、その経験が活きたと思います。

例えば、関連拠点のページの飾りに「Network」というワードを提案しました。関連拠点を単純に訳すと、文字数が多くてレイアウトが崩れてしまうんですよね。ページデザインを見せてもらい、関連拠点の意味を解説する項目があったので、抽象度を上げても伝わるワードとして「Network」を提案しました。

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ー「関連拠点」を生成AIに翻訳させると、生成された翻訳は "related bases" または "associated locations" でした。確かにこれだと文字数が多くてレイアウトが崩れてしまう上に、日本人の感覚的に「ん?」と引っかかってしまいそうです。 「Network」なら日本人もわかるし、文字数が少ないのでレイアウトも崩れにくい上、「コミュニケーションを通じてシナジーを生んでいる拠点」というニュアンスも加わりますよね。

サブーラ:そうですね。あとFACTBOOKは正確性が特に重要なので、関係各所への確認にも時間をかけました。
最後の鈴木さんのメッセージのページも、翻訳担当のジェームズさんがかなり時間をかけていたと思います。

ジェームズ:人が話すページは、翻訳者として特に気を遣います。表現を間違えると、冷たい性格と思われたりするので。
全社集会などでで鈴木さんのお話する雰囲気は知っているので、人柄をどうやって英語で表現するのかは特に注意を払いました。

本文 (1)のコピー

紙で作る価値から見直し、冊子版は少部数に。
読んだ人たちにWOW!を届けたい一心でユーザー目線を徹底したデザイン

ー普段、LINE公式着せかえなどのLINEヤフーサービスのWEBデザインを担当されているクリエイティブ部の皆さんにとって、FACTBOOK制作はどういった点がチャレンジでしたか?

樋口:普段の業務はLINE公式着せ替えのデザインで、キャラクターや世界観がある程度固まっている上で制作します。FACTBOOKのように0から新しいものを生みだす経験自体が私にとって大きなチャレンジでした。

ー確かに!関わる人数の多さも最大級のプロジェクトだったかもしれません。今回制作したFACTBOOKはPDF版と冊子版の2種類の形態で展開していますが、 「データが当たり前の現代において、そもそも紙で作る必要があるのか?」という観点から見直しましたよね。

佐藤:紙で作った本は、触覚・嗅覚・視覚情報を通して会社のカルチャーを肌で感じられます。冊子版をお渡しするのは、お互いに足を使って相手先に赴き、初めて対面で商談をする大切なシーンです。そういったシーンに相応しいのはPDFではなく、やはり上質な本であると考え、受け取った瞬間に当社のミッションである「WOW」と「!」を感じていただけるように、紙・印刷・製本にこだわり、高単価・少部数で制作することにしました。

冊子としても配布するので、はじめに「ユーザーにとって最適なサイズは何なのか」についてかなり議論もしています。インターンシップに参加している大学生にも配布する予定なので、一般的な会社案内に選ばれがちなA4よりも、教科書や大学ノートと同じくB5サイズのほうが学生さんも違和感なくカバンにいれられてちょうど良いのでは?という結論にいたりました。

また、レイアウトはデザインチームが一番苦しんだポイントです。30ページ以上もある本なのに、デザインのトンマナやルールは統一しつつも、単調にならないように遊びもいれたい。塩梅が非常に難しかったですね。

樋口さん1

ー普段の業務経験が活かせた点はありますか??

ドンハ:普段の業務ではユーザーニーズを深く考えてデザインします。FACTBOOKにおいても、ターゲットを意識して構成から検討しました。例えば、「数字で見るLINEヤフーコミュニケーションズ」も、ラフでは会社概要の一部として4種類しかデータがなかったのですが、この本を読む入社者や求職者は働き方に関するデータを一番知りたいのでは?と思ったので、2ページ構成にしました。

ドンハさん1

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ー 広報としても、FACTBOOKの読者となる方のニーズとは何か、しかも会社のカルチャーも伝わるようなファクトデータって何なのか?を考えながらデータをかき集めました。データ提供と確認にご協力くださった皆さんには感謝しかないですね。 特にこのページは苦労した、こだわった、というところはありますか?

佐藤:全部です!表紙や本文ページも7〜8パターンは作ったと思います。最終的に、最もベーシックなネイビー(コーポレートカラー)を基調としたシンプルなデザインになりました。

ベーシックにしたのは、バンドのファーストアルバムみたいに、ここからスタートなんだよ、という意味も込めています。会社の成長や変化とともにFACTBOOKのデザインも変化していけたら〜と考えています。

また、冊子版は本全体を角丸にしていますが、これはLINEロゴの角丸を踏襲しています。表紙のネイビーの斜めの線はYahoo! JAPANロゴのビックリマークから継承した62度のイノベーションエッジにしており、LINEヤフーのロゴのデザインコンセプトを意識しています。

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樋口:私も同じく、全部です!社内制度・地域貢献のページをメインに担当したので、特にここのページは何パターンも作りました。情報量もカテゴリーによって差があるし写真も多いので、レイアウトが難しくて、レイアウト調整のためにテキストボリュームも調整しました。

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ー紙版の製本・印刷は、クリエイティブ部の希望で当社として初めて「藤原印刷」さんにご依頼しましたね。依頼した理由としてはどういったところになるんでしょうか?

佐藤:藤原印刷さんが手がけた本は、「他の印刷会社さんが断るような難しい要望にも向き合ってくれる」とデザイン業界では評判で、一緒にお仕事をしてみたいと思っていました。
藤原印刷さんは「紙の本の価値」を追求しており、会社のビジョンも今回のFACTBOOKが目指す方向性と合致していると考えたんです。

紙は高級感と色の再現性の高さを重視し、表紙はヴァンヌーボを起用しました。紙本来のピュアな手触りとニスのツルツルとした感触の両方を楽しんでいただくため、ニス塗りも全体に行わず、テキストやデザイン部分のみにとどめました。コーポレートカラーのネイビーは再現が難しく、何度も練り直して色を作って下さったようです。

今回、ページを開いた瞬間に驚きを感じていただけるように、扉ページを排除し、「WOW!」の大きな文字がいきなり見開きで目に飛び込んでくる仕掛けにしたんですが、厚みのある紙を採用しているため製本に少し工夫が必要で…

藤原印刷さんが形にしてくださり、ヴァンヌーボ特有の堅牢さとピュアな空気感、装丁とデザインによる驚きのエッセンスが調和した理想の一冊になったと思います。

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本を開くと「WOW!」の大きな文字が目に飛び込むようにするため、扉ページを表紙と張り合わせる加工を加えました。
このページは読者が楽に180度開けるようにしないといけないため、綴じ方も協議を重ねました。

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藤原印刷さんに提供いただいた見本誌や、チームの私物を持ち寄って、どの紙や製本が最適か、議論を重ねました。

FACTBOOK制作プロジェクトを通じた学び

ー最後に、FACTBOOK制作を通じた学びや気づきがありましたら教えてください。

ジェームズ:過去のFACTBOOKを参考にしながら対応しましたので、組織の変化と進化を実感できたのが学びでした。

サブーラ:LINEヤフーコミュニケーションズの成長率はすごい!
私が入社した2015年から総社員数と九州外・海外出身社員率が大きく伸びました。
また、運営の一部を担う会社からスタートしましたが、今は業務領域も拡大し、LINEヤフーサービスの翻訳・クリエイティブ・セールス・企画などさまざまなを役割を担っています。FACTBOOKを翻訳しながら、改めて会社が時代に合わせて進化していることに感動しました。

サブーラさんとジェームズさん2

ドンハ:普段はWEBデザイン制作がメインでなかなか新しいジャンルに挑戦する機会がないので、WEBと冊子の両方を軸にデザインを考えることで視野を広げられました。

樋口:このプロジェクトを通じてエディトリアルデザインの経験・制作スキルの向上ために参加したのでそのジャンルについて学べたことがひとつ。
制作を通して自身のデザイナーとしての課題も見えたので、もっともっと勉強して成長したいと思いました!

佐藤:番の学びは組織としての成長度合いや規模感、多様性など、改めて知ることができた点ですね。
私たちの会社のFactとCultureがギュギュッと詰まった「WOW」と「!」な一冊に仕上がったと思ってるので、多くの人に読んでもらえると嬉しいです!

クリエイティブ部ラスト

まとめ

それぞれの専門知識をもったメンバーが、それぞれの領域でベストをつくし完成したFACTBOOK。
他にも、LINEヤフーコミュニケーションズ誕生までの歴史や、当社の「今」を伝えるデータが掲載されているページなど、ここでは紹介しきれなかったこだわりがたくさん詰まっています。
ぜひご覧ください。

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