• トップ
  • 働き方・生き方
  • システムエンジニアからのジョブチェンジで挑む組織改善。だれでもサービスのテスト自動化ができる世界へ

システムエンジニアからのジョブチェンジで挑む組織改善。だれでもサービスのテスト自動化ができる世界へ

システムエンジニアからのジョブチェンジで挑む組織改善。だれでもサービスのテスト自動化ができる世界へ サムネイル画像

【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。

シリーズ「What's LFK Style?」では、LINE Fukuokaにある仕事とそこでチャレンジするひとをインタビュー形式で紹介します。
今回登場するのは、LINE Fukuokaが担うサービステストを世界水準に押し上げるべく、テスト自動化の普及を担うLINERです。 
自動化導入により、一部のテストにかかる時間を16時間から2時間へ短縮。再現性を高め、すべての社員がテスト自動化を実装・運用できる仕組みをつくることで、組織課題と向き合っています。

プロフィール

橋本 悠我 Service Test2室所属
長崎県出身。2020年LINE Fukuoka入社。
情報系の専門学校卒業後、システムの開発から運用・保守・サポートを行う企業に開発エンジニアとして入社。その後、QAエンジニアとしてLINE Fukuokaへ。現在は、システム開発、QAエンジニアとしての経験を活かし、テスト自動化サポート及び全サービスへの普及活動専任に。

画像1-3

人の手によるサービステストを自動化すると何が起きる?

─ 橋本さんが所属するService Test2室は、主にLINEサービスのテストを行う組織です。担当されているテスト自動化について教えてください。

橋本 : サービスをローンチするときはもちろん、アップデートを含む全ての変更リリースにおいて、事前の動作検証つまりサービステストが必要です。
バージョンのアップデートに限らず、改善や変更は2週間に1回程度リリースされています。操作中であっても、ほとんどのユーザーが変化に気づかないバックエンドと呼ばれる裏側の機能も定期的に更新されています。

これらのテスト作業を人の手と目で行うこともできますが、同じ動作を繰り返すテスターにかかる負担も大きい上に、ミスを0に近づけるのは難しい。どんなに工夫を重ねて熟練しても、自動化されたシステムの速度にはかないません。
自動化できれば時間を削減できるので、それまでテストに割いていた時間を人の手と目ではないと確認や提案が難しいことに使えます。毎日深夜に自動テストをスケジューリングして結果を翌朝確認するなど、業務外の時間も有効活用できます。画像2-2

「ものづくり」をしているのはエンジニアだけではない

─前職ではシステムエンジニアをされていましたが、どのような経緯でテスト自動化に携わるように?

橋本 : 情報系の学生だった頃から、LINE Fukuokaでものづくりをしたいと思っていました。ただ、当時はまだ新卒採用をしていなかった。まずはエンジニアの経験を積もうと考え、1社目の企業にシステムエンジニアとして就職しました。スキルアップのためにエンジニアの勉強会に顔を出したり、会社の先輩にも「LINE Fukuokaに入りたい」と相談したり、ずっとひとつの目標でした。

携わりたい「ものづくり」は、サービス開発を指していると考えていたのですが、退職する先輩の業務を引き継いだことで考え方が変化しました。任せられる範囲がぐっと広がり、サービス開発だけではなく、設計や要件定義、テスト、運用保守など全領域に携わることに。全体を俯瞰するきっかけになりました。
前工程も後工程もすべてが揃っていないと、ものはつくれないし動かない。すべてが重要で、そこまで含めてシステム開発であり「ものづくり」だと視野が広がった感じです。

きっかけをくれた先輩の転職先が、LINE Fukuokaでした。当時の組織課題や解決に向けた取り組みなど、熱い想いを聞いているうちに一緒にやっていきたいと考えるようになり、先輩と同じQAエンジニアとして入社しました。

─ QAエンジニアとして活動した後に、テスト自動化の担当になったのですね。

橋本 : はい。QAエンジニアは、品質の観点で工程の上流から下流まで関わります。お話した通り、全領域に関わることは前職ですでに経験していました。
正直に言うと、エンジニアからジョブチェンジする際、スキルを高めて自分の市場価値を上げられるかは不安でした。これまで経験していない領域でスキルを高めたいと思い着目したのが、作業の一部を担当していた「テスト自動化」です。そこから、テスト自動化の専任にシフトしました。画像3-2

16時間→2時間の成果が普及の入り口

─ 橋本さんが、現在チャレンジしていることを教えてください。

橋本 : テスト自動化を「普及」させることです。エンジニアでも非エンジニアでも、誰もがサービステストを自動化・運用できるテスト組織をつくるための活動です。

環境を整えるために、非エンジニアでも対応できるローコードテストツールを導入し、まずは自分でひとつのサービスに対するテストを自動化しました。結果、リグレッションテスト(※)にかかっていた時間を16時間から2時間に短縮しました。この成果をもとに再現性のある仕組みをつくり、組織に普及させていきたいと考えています。
※リグレッションテスト:プログラムの改修によるその他のプログラムへの影響範囲を確認するテスト

成果を社内集会や社外イベントで発表したり、webメディアで取材いただいたりすることで、LINEグループに留まらず、Zホールディングス内からもテスト自動化についてお問い合わせいただくなど反響がありました。この半年で新たに13のサービスがプロジェクトとしてテスト自動化の導入に着手しています。

画像4-1

目指すのは、自動テストの民主化

─ LINE Fukuokaがテストを担うサービスは数多くありますが、それぞれのテストを自動化するために、どう介入していますか?

橋本 : 基本的には、導入したいと相談いただいた方を対象にサポートしています。
CI(※)環境の構築や社内ツールをはじめとした別ツールとの連動など、開発が必要な部分は私が手を動かしますが、
実際に自動テストを導入し運用していくのは、現在手動テストを担当しているテスターやテストマネージャーなど、非エンジニアの方がほとんどです。
※CI=Continuous Integration(継続的インテグレーション):開発からテスト、公開までの一連の作業を継続的に自動化する手法
目指している「自動テストの民主化」を実現するには、誰でもテスト自動化ができる状態でなければ意味がないので、ある程度自立して進めてもらう必要があります。その一方で「何かあったら相談してくれるだろう」という前提のサポートでは、担当者がつまずいていることに気づきにくく、「実現が難しい」と判断して自動化を諦めてしまったなど課題もあり、介入の仕方は検討中です。

テスト自動化が普及して、かつ成果を出せている状態が目標なので、広めるだけでなく成果にもコミットしていきたいです。

世界レベルのテスト組織になるために

─ サービステストの世界水準について教えてください。

橋本 : IT系の先進企業を例にすると、もう10年くらい前からテストは自動化されています。手動で行うのは、見た目の良さや使いやすさなどUXの部分だけで、開発が終わったらリリースまでは一瞬です。
私たちは今、テスト自動化の手段を普及している段階なので、追いかける立場です。

背景には、急激なLINEのサービス成長があります。このスピードに耐えるために人力で補ってきました。徐々にサービスが広がりユーザーが増えてきたのであれば、また違ったと思います。
入社前の話なので、実際に経験したわけではありませんが、人力で補ってきたからこそかなりのスピードで拡大できたのだと思います。その分、世界レベルのテスト組織になるために、まだまだ改善の余地があります。

テスト自動化の普及は、ひとつのプロジェクトだけではなく、グループ内のさまざまなプロジェクトを変えていく。つまり、文化を変えていくということなので、組織をよくするための活動です。この規模のユーザーとサービスを持つ企業で、システムエンジニアとしての経験も活かしながら組織の改善を経験できる場所は少ないと思います。私がLINE Fukuokaに入社したのもそこに惹かれたからです。

画像5-1

上には上がいる

─ 橋本さんが仕事をする上で大切にしている価値観を教えてください。

橋本 : 今の自分に満足しないことです。どんな領域にも上には上がいるから、成長できる部分は必ずあると考えています。
社内でも、エンジニア領域で同じテスト自動化に深く携わるSETSoftware Engineer in Test)組織やサービス開発を担当するエンジニアなど、大先生たちに話を聞くことができます。
何日も悩みながら進めていたことに対してアドバイスをもらったら、そこから1時間で終わったこともありました。そういう方々に直接相談できる環境はありがたいです。

チャレンジを後押しした福岡とLINE Fukuoka

─ 最後に。橋本さんにとって福岡、そして、LINE Fukuokaとは?

橋本 : 福岡には、私に必要なものが揃っています。
コンパクトシティと表現されるように都市機能は市街地エリアにまとまっていて、少し車を走らせれば山や海も身近にあります。
山や海が見えないことや人の多さにストレスを感じてしまうようで、仕事で東京に行ったときは毎回熱が出ちゃうんです。笑
私が育った長崎は、自然があるのが当たり前な環境だったので、いつでも海や山が身近にある環境が落ち着くようです。地元にいる家族や友人にも、思い立ったらすぐに会いに行けます。

LINE Fukuokaは、ちゃんと私を見てくれるところです。
年齢や働いている年月ではなく、成果が評価される仕組みとチャレンジできる環境があります。
入社してすぐにテスト自動化へチャレンジできたのは、上司が私の素質を見て、場を提供してくれたからです。やりたいことに対して、自分から手を挙げることもできます。だからこそ、入社から2年半の間に様々なチャレンジを通して、スキルを高めることができました。
日々進化するテクノロジーのスピードに置いていかれないように、学びとチャレンジを絶えず続けていきたいです。

画像6-1

エンジニアスキルの有無を問わず、サービスの自動テストが民主化された組織。世界で通用するテスト組織をつくるため、絶えずチャレンジを続ける橋本さんのStyleを紹介しました。

他記事でも、LINE Fukuokaの仕事やそこで働くLINERを紹介しています。あわせてご覧ください。

LINEヤフーコミュニケーションズ
公式SNS

ブログ記事更新のお知らせやLINEヤフーコミュニケーションズの最新情報を配信中!