社内問い合わせ6割減と社員満足度95%を実現した“ファラオ”な総務改革プロジェクト

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こんにちは!LINEヤフーコミュニケーションズ広報の江國です。

今回は、社内の問い合わせ窓口に寄せられる相談件数を6割減らしながら、社員満足度95%以上を維持している総務改革プロジェクトをご紹介します。

総務が抱えていた課題

総務部は、オフィス施設管理やレイアウト設計、各種設備や什器管理など「働きやすい環境を提供し続ける」役割に加えて、社内で発生する様々な問い合わせに対応しています。
総務業務が多忙になる要因の一つがこの「社員からの問い合わせ対応」です。

当社の総務も社内問い合わせ窓口を4名で運用していますが、「コーヒーマシンが反応しない!」「イヤホンの落とし物は届いていませんか?」「社員証を忘れてしまった!」「PCの調子が悪い…」「社内手続きがわからない」など、多種多様な問い合わせが月1,300件も寄せられていました。対応に追われ、残業になることもしばしば…。

「問い合わせ対応を効率化できないだろうか・・・?」

社内問い合わせ窓口の一人だった大津さんが、問い合わせ状況を分析した結果、対応フローや環境面の課題が明らかになりました。

取材を受ける男性プロジェクトリーダーの大津さん

<問い合わせ窓口の課題>
課題①:確認の手間
問い合わせ手段が、メール/チャット/DMなど複数チャネル存在し、全て確認していた
課題②:対応ステータスの不明
対応状況がわからず、未解決のまま見過ごされる問い合わせも発生していた
課題③:ログ記録ができてない
対応に追われ、記録が残せていなかった。対応がナレッジとして蓄積されず振り返りしづらい状況だった
課題④:社員が自己解決しづらい
ヘルプページの種類が多すぎて社員が自力で見つけられず、自己解決につながっていない

改革に向けて:問い合わせ窓口の一本化と新しい窓口の構築

これらの課題の改善策として、複数チャネルでの対応を廃止し、窓口を一本化することに決めました。
さらに、問い合わせ環境の改善に向けて、ServiceNow社の「ITSM」*を導入し、新しい窓口の対応フロー構築を決断しました。
*ITSM:業務の可視化、自動化を支援するクラウドサービス

開発にあたっては、「システムの使い心地」にもこだわったようです。

大津:これまでは複数チャネルで受けた結果、問い合わせの管理が煩雑化してしまっていたので、シンプルに社員が問い合わせ時に迷わなくていいよう、窓口をこのシステムでのみ受付に集約しました。単に集約するだけだとこれまで自由な方法で問い合わせをしていた社員にとっては不便に感じる方もいるため、解決速度や利便性に加え「システムの使い心地」にも非常にこだわりました。取材を受ける男性

開発会社さんと議論を重ね、1年間試行錯誤して出来上がったのがこちらのシステム。スフィンクス画面png-1使用したシステム名そのままではなく、社員が愛着をもって呼びやすいように企画当時の会社のテーマ「シナジー」を含めた「Synergistic Fukuoka Inquiry System」の略で「SFINQS(スフィンクス)」という愛称をつけたようです。 

SFINQSの仕様

▼社員(ユーザー)から見た利用イメージ社員の問い合わせ窓口

▼問い合わせ窓口側から見たメリット社員の問い合わせ窓口

社員・総務双方の業務効率改善を叶える力作が誕生しましたが、リリース当時は社員の反応に不安があったようです。

大津:今までは、さまざまなチャネルで受け付けていた問い合わせを、SFINQSに一本化するので、反対意見も相当あるのでは?と戦々恐々としていました。でも、蓋を開けてみたら、みんなすぐにこの新しいシステムを受け入れてくれ、リリース2か月目には9割近くの問い合わせがSFINQSに来るようになりました。

なぜ、これほどスムーズに社員が新システムに移行できたのか?それは、大津さん自身もこだわった「利便性」と「操作性」にあります。

大津:社員からは「マニュアルを見なくても感覚的に操作できるのが良い」「関連ヘルプページをリコメンドしてくれるので、すぐに問題が解決できるようになった」という声をいただきました。簡単に使えることや、ユーザーにとっても「導入後の方が便利」と思ってもらえるように工夫を重ねたことが、早期移行に繋がったのかもしれません。

この総務改革プロジェクトの効果は?

大津:導入後、問い合わせ数は月1,300件から500件に減少しました。ヘルプページのリコメンドと、問い合わせ傾向に応じたヘルプページの改修作業によって、社員の自己解決率が上がったことが理由です。平均で、SFINQS利用者の50%以上が自己解決しています。
さらに、問い合わせ傾向が可視化できるようになったことで、イベントごとに先回りしてヘルプページの周知活動を行うようになり、問い合わせ数自体も減少しました。たとえば、台風シーズンは運休等で在宅勤務の相談が増えることが数字として出ているので、事前に関連ヘルプページを全社的に周知しています。 インタビューを受ける男性

大津:それと、問い合わせ窓口のメンバーのモチベーション向上にも繋がりました!問い合わせ状況を可視化できることで抜け漏れを気にするストレスから解放され、対応後の社員満足度アンケートの結果も自動でレポーティングしてくれるので、成果が可視化できるようになった上に、アンケートを通して社員から温かいコメントもいただけるようになったからです。ご意見もいただけることで改善にも取り組めるようになりました。問い合わせ対応後の社員の満足度アンケートは、対応品質・速度・総合満足度ともに95%以上を維持しています。

今後については、社員が困っている時間を少しでも減らすため、システムのさらなる改善を目指しているようです。

大津:システムの中の画面遷移の時間や、入力箇所をもっと減らせないか?生成AIを使ってもっと早く困りごとを解消できないか?など、社員の問題解決までの時間を少しでも短くするため、引き続き模索しています。今は総務部門の問い合わせを対象として使っていますが、いずれは「わからないことは全てSFINQS」みたいな感じで使っていただけるように、対応領域も広げていきたいです!

こぼれ話

―「SFINQS」の名前の由来って、本当に「Synergistic Fukuoka Inquiry System」なのでしょうか?エジプトの「スフィンクス」と関係がありそうなのですが...

大津:…実は、僕の前職はジョークグッズの企画デザイナーで、その時代に『ツタンカーメン寝袋』という商品を作ったんです。夜中のテンションで企画したものなのに大ヒットしてしまい、その後デザイナー人生は『ツタンカーメンの人』と呼ばれ、エジプト文化に愛着が湧くようになりました。このシステムを作って名前を決める時、「INQS(問合せシステム:INQuiry System)」をつける事だけ決めていたんですが、ふと自分らしく呼びやすい「スフィンクス」というキーワードを閃いて、頑張ってSとFの単語を考え「Synergistic Fukuoka Inquiry System」の略、ということにしました。

寝袋今も愛用している「ツタンカーメン寝袋」で休憩中の大津さん 

 

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