チームを信頼して任せる。500名規模の組織を率いるセンター長のマネジメントスタイル
【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。
経営陣との対話を記事として公開するLeader’s talkシリーズ。今回は、LINE FukuokaのService Businessセンター長・松山の登場です。
前々回登場した野中と同様、500名規模の組織を率いる松山。これまでのキャリアや、大規模組織をマネジメントする上で大切にしていることなどを聞きました。
Leader’s profile
松山 好裕(まつやま よしひろ)
LINE Fukuoka株式会社 Service Businessセンター センター長
<略歴>
鹿児島県出身。
大学卒業後、証券会社、テレマーケティング会社、化粧品通販会社を経てLINEに入社し、2014年LINE Fukuokaへ転籍。事業側からもアウトソーシング側からもさまざまな業界のCSに携わった経験を持つ。LINE FukuokaではCSのみならず、監視・審査・ローカライズなどの運営全般に携わった後、AIやFinTech、EC、メディア、ゲームなどLINE事業全般の各種サービス運営、企画、サポートを担当。
松山さんの出身地と、LINE Fukuokaに入社されるまでのキャリアを教えてください。
私は鹿児島で生まれて、幼少期を和歌山で過ごし、中高は鹿児島、大学から福岡に住んでいます。もともと高校の公民の先生になりたくて、大学時代は塾の先生や家庭教師のアルバイトばかりしていました。でも当時、鹿児島で公民の先生になるのは100倍近い倍率で、受からなくて。きっぱり諦めて内定をもらっていた証券会社に就職し、営業に3年従事しました。
次はマネジメントを学びたくて、テレマーケティング会社に10年勤務。さらに化粧品通販会社に転職して、コールセンターから人事、採用、発送、システムまで一通りの業務を経験しました。
それからLINEに転職されたのは、なぜでしょう?
あまり転職は考えていなかったのですが、人材会社の方から、ぜひ話を聞いてみてほしいと紹介されたんです。LINE Fukuokaができて組織が大きくなっていくタイミングで、組織マネジメントができる人を探していると。実際に話を聞くと、とても面白そうで転職を決めました。
2014年LINEに入社して、単身赴任で東京へ。半年ほどでLINE Fukuokaに転籍して、福岡に戻ってきました。
入社後はどんな仕事をされたのでしょうか?
まず担当したのはLINE Payの立ち上げです。LINEで初めての金融事業で、監督官庁の厳しい基準をクリアしてオペレーションを作っていくことは、なかなか難しかったです。しかも一緒に仕事をする仲間はみんな韓国にいる韓国人。ミーティングには通訳がつくこともありましたが、基本的にはずっと機械翻訳でやり取りをしていました。
えっ、かなりハードな環境ですね。
そうですね。でも、私はそういう環境に身を置くことが好きなんです。人から見ると大変そうかもしれませんが、大変そうな仕事ほど燃えてやる気が出てきて(笑)。逆に落ち着いた仕事は飽きてきてしまうんです。
LINE Payの仕事は、グローバルな環境でとくに面白く、印象に残っています。韓国の方たちと一緒に立ち上げてリリースした後に、他の国でも立ち上げがありました。台湾とタイのメンバーがセットアップの勉強のために福岡に来て、夜は韓国と台湾とタイと日本の担当者で飲みに行くけど、会話がほぼ通じない。みんな片言の英語で交流するのがすごく楽しく新鮮でした。
一方で、国によって考え方の相違が明らかになることも。最初は日本のやり方を通そうとしましたが、途中でやめました。ゴールは一緒でもステップの踏み方が国によって全然違い、こちらのやり方が早いし間違いないと伝えても、相手には相手のやり方があるのだと分かって。とても興味深い貴重な経験となりました。
入社から9年。LINE Fukuokaの従業員数も大幅に増えました。
2014年当時300人くらいから、10年経った今は1500人を超える組織になりました。大きくなる組織を整えてマネジメントしていくことが私のミッションで、やりがいがあり楽しかったです。
今は500人ほどが所属するService Businessセンターで、センター長を務めています。AI、ゲーム、メディア、Fintech、ECという5つの分野がそれぞれ室となり、それらを全体的に統括するポジションです。各室には室長やマネージャーなどがいて、日々の業務や組織づくりは基本的にお任せしています。私は各室が弊社にしかできない価値を生み出すためにやっていきたいことを全力でサポートしつつ、イレギュラーに対応する毎日です。入社以来、毎年状況が変わっていくことが私にとってはすごくおもしろいところです。
500人もの組織をマネジメントするために、どんなことを意識されていますか?
大規模な組織では、レイヤーが上がれば上がるほど、イレギュラー対応に備えて時間を調整できるようにしておくことが大事だと思います。そのため、失敗しても自分が責任を取るスタンスで、基本はとにかくメンバーに任せる。放置と思われがちですが、実は個々のスキルを意外と細かくみています。どんなに手を出したくなっても我慢して見守ることで、結果としてメンバーが早く成長できる。私も必要なポイントに絞ってタスクを持つことでコミュニケーションの時間を確保できて、イレギュラーがいつ起こっても対応可能な状態でいられます。
日々の仕事の中で、松山さん自身がやりがいや喜びを感じるのはどんなときでしょうか?
弊社で行っている仕事について、事業部やクライアント、ユーザーなどから褒められたり、「お願いして良かった」というような言葉をいただいたりしたときでしょうか。自分の管掌のメンバーが褒められることほど、管理者冥利に尽きることはないと思っています。
マネジメントに限らず、仕事をする上で大切にしていることはありますか?
社内外のさまざまな人に関わる中で、レイヤー関係なく、相手をリスペクトすることをとても大切にしています。誰かが何かしたいと言えば、基本的にやったらいいと思いますし。ちょっと違うかなと感じることがあっても否定せず、相手の背景もちゃんと聞いた上で、こちらの意見を述べるようにしています。だから仕事をする上で感情的に言い争うことはないし、イラっとすることもないですね。
いつも穏やかに仕事をされているのですね。
ただ、組織に私みたいなタイプばかりいても良くないですよね。たとえば、今LINE Fukuokaには他にもセンター長がいて、みんな全然タイプが違います。役割分担ができているから、うまく回っているのだと思います。
センター長8名が一堂に介した全社集会の様子。さまざまな意見が生まれました
松山さんが考える、LINE Fukuokaの良いところは?
誰でもチャレンジできる環境があることだと思います。もちろん状況にもよりますが、基本的にやりたいと手を挙げると、まわりも応援してくれる環境は他社と比べてとても良いと感じます。
逆に、変えた方がいいと感じるところはありますか?
うーん、あまり思いつかないですね。そもそも変化が激しい業界と会社なので、LINE Fukuokaで長く働いている方は、変化に適応できるタイプでしょう。もし過去のやり方にとらわれている人がいれば、ゼロベースで考えて動いてみることが大事かなと思います。
松山さんは今、大学院に通われているとのこと。
昨年からビジネス・スクールに通っていて、4月に2年生になりました。10年前くらいからMBAに興味はあったんですが、タイミングがなかなか…。コロナ禍のタイミングで少し調べて、ダメもとで受験したら合格したんです。今は平日夜間と週末にみっちり学んでいます。
経営学ですから、自分が現場でやってきたことを体系立てて整理できて、足りないことを学べる。すごく良かったと思っています。
センター長としての業務がありながら、ビジネス・スクールに通われているのはすごい。時間管理のコツを教えてください。
最初の頃はとにかく夜遅くまで頑張って勉強していたけれど、最近はずいぶん要領がよくなりました。ずっとしているのは、すき間時間をうまく使うこと。たとえば、仕事が終わって移動する10分や15分にレポートのネタを書いています。スマホにボイスで入れたり、要点だけメモ書きしたり。アカデミックな本もめちゃくちゃ読まなきゃいけなくて、それもすき間時間を見つけてKindleで読んでます。
最後に、松山さんが今後やりたいことを聞かせてください。
引き続き、私の役割として、各組織が動きやすくなるように、裏方に徹していきたいと思っています。あとは、ビジネス・スクールで財務系の知識も身についてきました。学んだことを応用して、LINE Fukuokaでファイナンスの知識を活かしながら、現場のパフォーマンスを上げる組織運営をできるようになればと考えています。
そして、自分で事業を創りたいという長年の思いもあります。いつかオーナーとして事業をやってみたいです。