家業は江戸時代から続く農家!故郷で叶えた、 IT企業管理職と農の二足の草鞋ライフ

LINEヤフーサービスのカスタマーサポート部門のリーダーで、高知拠点に勤務する青木沙矢子さん。実は江戸時代から続く農家の出身で、カスタマーサポートの業務のかたわら、休日は実家の農業(文旦栽培)の手伝いもしています。一度は都会に出たものの、地元に戻ることを決意した背景や故郷で彼女が見つけた「自分らしい生き方」を伺いました。
【プロフィール】
青木沙矢子
高知県出身。2015年に現LINEヤフーコミュニケーションズ高知拠点に入社。コミュニケーション系サービスやポリシーに関する問合せ対応をしているチームに所属し、2018年にSV、2022年にリーダーに昇進。
都会への憧れから、地元を離れて千葉に進学・就職
―青木さんの出身地とこれまでの経歴を教えてください。
青木:高知県で生まれ育ちました。実家は江戸時代から続く農家で、父が8代目です。田舎で育ったので、一度は都会に出てみたくて、大学進学を機に千葉に上京し、卒業後は千葉の眼鏡屋に就職しました。2015年に、現LINEヤフーコミュニケーションズ高知拠点に入社し、現在はコミュニケーション系サービスやポリシーに関する問合せ対応をしているチームのリーダーをしています。具体的には、サービスの使い方で困っているユーザーのサポートや、問題が発生している原因を分析しサービス改善につなげる役割を担っています。
―大学ではどういったことを学んだんですか?
青木:福祉を学びました。人をサポートすることが好きで自分に向いていると思ったからです。就職活動では、接客業を周囲から進められて、両親の友人が働いている眼鏡屋に就職しました。
―どうして、地元の高知に戻ろうと思ったんですか?
青木:東日本大震災がきっかけです。その時、就職した千葉の眼鏡屋で勤務中だったんですが、これまで体験したことのないほど地面が大きく揺れました。住居は崩れ、電車が止まって家には帰れず、コンビニの水や食料もすべてなくなりました。
高知でいつか南海トラフ大地震が起きることは子どもの頃から聞いていて、警戒はしていました。でも、いざ大地震が来た時、地元のどれほどの影響があるのかを東日本大震災を通して実感しました。もしこのまま千葉に住み続けて、南海トラフ大地震がきたら、地元にすぐ戻れないかもしれない…両親からは「地元に戻らなくていいから千葉で頑張れ」と言われましたが、戻ることに決めました。
震災をきっかけに、故郷への想いを再認識した
青木:私は農家の生まれですから、例え自然災害が起きたとしても、先祖代々が守り続けてきたこの土地でどう生き抜こうか、といった方向に自然と考えが向くんです。故郷の畑と山があれば家族で自力で食べ物を作って生き抜ける、という安心感もありました。
―高知に戻った後はどんな生活をしていたんですか?
青木:2014年に高知に戻り、平日は職業訓練校のIT訓練科を受講しPCスキルの向上に努め、週末は実家の文旦農業を手伝い、試食販売や農作業、配達、発送関連業務に携わりました。職業訓練校の紹介で現LINEヤフーコミュニケーションズに入社しました。
ご実家で、農産物のフェアについて打ち合わせをしている青木さんと文旦の収穫風景
―なぜ、未経験のカスタマーサポートとして働こうと思ったんですか?
青木:職業訓練を通して、PCスキルを活かした職種に興味を持ったことが一点。また、もともと人をサポートすることが好きで接客業で働いていたので、カスタマーサポートであれば自分の接客スキルも活かせると考えたからです。LINEヤフーサービスが自分の生活に身近にあったことも後押しになりました。
高知で叶えた「IT企業管理職と農」の二足の草鞋ライフ
―入社して7年の間に、SV→リーダーと昇進を重ねています。どういったことにやりがいを感じますか?
青木:IT企業ですから、変化のスピードの速さと、自律性が求められるところが魅力ですね。前職の眼鏡屋は、決まったフォーマットに沿った業務が中心でしたが、今は日々変化に波乗りしていてそこにやりがいを感じます。また、自分たちがユーザーの声を受けて提案したことが、サービスに反映された瞬間、やっていてよかったと実感します。
リーダーとしては、メンバーと一緒に最適解を見つけ、より成果につながるアクションを考える瞬間にワクワクします。
―地元の高知でLINEヤフーコミュニケーションズの社員として働く魅力を教えてください。
青木:高知は自然が豊かで、山、川、海が揃っています。LINEヤフーグループの一員として影響力のあるサービスに携わりながら、静かな田舎生活を満喫できるところが魅力です。また、地元なので実家の農業の手伝いもできる環境なのも助かっています。春は花付け(人工受粉)、冬は収穫と出荷などの作業をしています。
青木さんのお気に入りのドライブスポットの安井渓谷と横浪スカイライン。
休日に大自然で気軽にリフレッシュできるのも、高知ならでは。
―カスタマーサポートの管理職をしながら、農業のお手伝いをされていますが、今後、兼業農家といったキャリアの方向も考えていたりしますか?
青木:実家に戻って10年間、両親の背中を見てきました。二人は、お客様に美味しい文旦を手頃な価格で提供したいと、心血を注いで作物を育て、箱付作業にまで心を配っています。プライドと情熱を持って農業一本に人生を捧げてきた両親を見ていると、兼業は難しいかな…と感じています。
今後も、カスタマーサポートとしてキャリアを重ねながら、農業にも関わって、自分らしく故郷で暮らしていきたいと思っています。
カスタマーサポートの業務は生成AI導入や機械化が進み、組織統合によって新しい業務も増えています。これまでの経験値だけでなく、新しい考えも反映させながら、業務をアップデートしていけるように取り組んでいきたいです!