【初開催】高卒新卒”非”採用企業でも「高校生インターン」、そのワケとは?

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【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。

2023年8月21・22日に、LINE Fukuokaは初の高校生向けインターンを開催しました。
開催後のアンケートでは100%が「進学先の選択に参考になった」、87%が「進路選択が広がった・深まった」と回答。私たちにとっても、「自分たちの仕事の価値」を再認識する、貴重な機会になったと思います。

今回は、インターンの模様と、私たちのような「高卒新卒を採用していない企業が、高校生向けにインターンを実施する意義」についてお伝えします。

 

実施の経緯

会社の代表窓口宛に、宇美商業高等学校の先生から「インターンを希望している生徒がいる」と相談のメールが届きました。
当社は高卒新卒を採用していないため、これまで高校生向けのインターンはおこなってはいませんでした。
しかし、自らインターン先を学校に志望する生徒の意欲の高さや、それを叶えようとする先生の熱意に加え、高校生が進路選択に重要な時期であることを鑑み、開催に踏み切りました。

参加生徒は24名。志望する進路は「エンジニア」「Webデザイナー」のほか、IT業界に関心はあるがまだ進路未定の生徒などさまざまでした。


プログラム内容は以下

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社員とQ & Aセッション

「社員とQ &Aセッション」から本プログラムはスタート!

登壇したのは5名の社員
・カスタマーサポート 甲斐秀樹さん
・社内ITコンサル 髙田能央さん
・デザイナー  西島みさとさん
・イラストレーター 下川幸さん
・エンジニア 金子茉以さん

「職場の雰囲気」「1日のスケジュール」など、生徒から事前に寄せられていた質問に答えていきます。

座談会 全体(「高校時代に進路が決まっていたか?」の質問に、登壇者一同「明確に決まっていなかった」と口を揃える場面も)

 

「イラストレーターになりたいと思っていたけれど、どうすれば夢を叶えられるのかわからなかった」というイラストレーターの下川さん。周囲にアドバイスができる人もおらず、さまざまなイラストコンテストに応募したり作品を制作したりと、夢を叶える道を模索していたようです。
大学は文学部で、就職先の配属をきっかけにエンジニアになったという金子さん。「高校時代の自分に『あなたは将来エンジニアになっているのよ』って言ったら驚くと思う」と、意外な経歴を明かしてくれました。

一見、順風満帆に見える社員たちも、実は紆余曲折を経て今の仕事に就いていたようです。

座談会 かいさん(全くの異業種から転職したカスタマーサポートの甲斐さん。「働いてみて初めて得られる情報ってたくさんある。今決めきれなくても、まずは一歩踏み出して、その時に得たいろんな気づきを踏まえて、自分の気持ちがワクワクする方向に進んでいくのだって良いと思う」と経験を踏まえてアドバイス。)

 

Q&Aセッションの後は、社員と生徒の交流タイム。志望する職種の社員に質問する生徒もいれば、進路選択の幅を広げるためにいろんな社員に声をかけてくれる生徒もいました。

座談会終了後の質問タイム(金子さん)(Q&Aセッションをきっかけに、より進路が具体的になった生徒、違う仕事にも興味を持つようになった生徒などさまざま)

 

グループワーク「AIを使ったLINEサービスの改善企画」

午後のセッションは、生徒を4つのグループに分け、サービスや運営の改善企画を担うGlobal Operation室の業務を体験してもらいました。課題は、LINEの利用ガイドラインのひとつ「LINE IDを投稿してはいけない」を、ユーザーに周知する方法。LINE IDは不特定多数の人に知られることで、思わぬ事件や犯罪に巻き込まれるリスクがあります。ユーザーを守るため、LINE IDの投稿を防ぐにはどうすれば良いのか考えてもらいました。

AIで先生を着せ替える
(グループワークの前に、Global Operation室による「LINEの運営業務とAIの関係性」の解説をおこないました。AIの力を実感してもらうため、写真に写る引率の先生のお洋服を一瞬でアロハシャツにする技術を披露したりしました。)会議室体験(実際に社員が使っている会議室を使って、作戦会議。気分はLINE Fukuokaの社員です)

最後に、4つのチームに企画をプレゼンしてもらいました。

こどもたちのはっぴょう

プレゼンでは、「LINE IDを投稿しようとすると警告表示される」という趣旨の案が多く発表されました。一部のグループからは、「友だち登録できるIDを時限性・都度発行型にする→制限時間内に友だち登録しないと有効期限が切れて、仮にIDを投稿しても不特定多数と友だちにならない」といった、高校生とは思えない案も出てきました。


Global Operation室の劉さん・髙田さん、Customer Care室の甲斐さんが、実際に現場で働く社員の観点で生徒たちの企画を講評しました。

かいさん講評(「その機能改修によって予想されるユーザーからの問い合わせってどんなのかな?」と、カスタマーサポートならではの鋭い指摘も)

「高校生には難しいかな?」と思っていた課題でしたが、発表された企画は全てクオリティが高く、社員一同感心しきりの1日目でした。

 

グループワーク「LINEスタンプ・バナー広告制作」

2日目は、クリエイティブ室による「LINEスタンプ制作とそのスタンプを売るためのバナー広告制作」のお仕事体験です。4つのグループに分けて、チームで一つの作品を制作します。
実際の現場ではデザインツールを使用しますが、生徒のツール利用経験を考慮し、今回は手書きでチャレンジしてもらいました。


まずはイラストレーターの業務で「LINEスタンプ制作」です。

イラストスライド_0818(イラスト制作のプロセスの一部を体験してもらいました)

 

参加者は、LINEスタンプを送る相手やシチュエーションに合わせて、どんなキャラクターや表現が適切か考えます。イラストレーターの思考プロセスを学びながら、チームで話し合います。

ターゲットを考えるよ(ターゲットはだれなのか?コンセプトを考えています)

デザインツールを使う子も!(実は、参加した生徒の多くがイラストやデザインに関心があったので、私物のクレヨンやデザインツールを持参して取り組んでくれた子もちらほら。みんな絵が上手で、思わず「えー!上手」「うっま!」という社員の感嘆の声が飛び交っていました。)

 

LINEスタンプは出来上がりました。
しかし、プロの世界では、作った作品は売るところまで考えなければなりません・・・ということで、次のセッションではイラストレーターからデザイナーの役割になり、先ほど作ったスタンプを宣伝するバナー広告のデザインを考えます。
自分たちのスタンプに興味を持ってもらうために、どんなデザインが適しているかをチームで話し合い、一つの広告に仕上げます。

Webバナーのプロセス-1(今回はデザインプロセスの一部を体験してもらいました)

広告制作(「このバナーの目的な何なのか?」「ターゲットは誰か?」「どういうキャッチフレーズなら、どんなデザインならスタンプのコンセプトが伝わるのか?」、チームで話し合います)

ちょきちょき(バナーの飾りは色画用紙で制作)

レイアウト(どんなレイアウトが最適なのか?マグネットシートを使って試行錯誤)

 

2日目のセッションは、成果発表とクリエイティブ室チームの講評で締めくくりました。

成果発表(コンセプトやデザインのポイントを交えて、愛情込めて作ったスタンプとバナーの魅力を発表します。)

 

発表されたスタンプは、コンセプトが明確で今すぐ使いたくなるものばかり。どれもクリエイティブ室メンバーのお気に入りで、「このスタンプのキャラクター好き!まつげが長くて、実は女子力高いよね」「これは仲良しの上司に送ってみたい!!」など、講評にもつい愛がこもってしまいます。

 

成果発表の後はみんなで記念撮影をしました!

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そして体験会終了後・・・

「せっかくみんなが愛情込めて作ったスタンプやバナーをそのままにしておくのは惜しい!」と、クリエイティブ室のメンバーが繁忙期にも関わらず業務の隙間時間を縫い、生徒たちが作った手書きの広告とLINEスタンプのキャラクターをデジタル画像化。後日、専用オープンチャットでみんなにプレゼントしました。

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開催して感じた、採用に直結しない「高校生インターン」の意義

参加者アンケートを実施したところ、8割の参加者が進路選択や将来に不安を抱いていたようでした。
高校生にとって身近な「働く大人」は両親や学校の先生で、他の職業に触れる機会はほとんどありません。インターン先も高校に求人を出している企業に限られている場合が多く、高卒新卒の採用をしていない企業の職業については情報を得難い状況です。
今回、参加した生徒の多くはIT業界を志望していましたが、これまでのインターン先にIT企業はなく、学校側は体験先を新たに開拓する必要があったようです。
体験会を通して、Webデザイナー志望だったけれどイラストレーターへの関心が強くなった生徒や、ユーザー視点で物事を考える楽しさに目覚め、サービス改善やカスタマーサポートの仕事に興味を持つようになった生徒も多くいました。

アンケートでは、回答者の100%が「進学先の選択に参考になった」、87%が「進路選択が広がった・深まった」と回答。高卒新卒の採用を行なっていない企業であっても、インターンを受け入れることが高校生の進路選択の大きな支援につながると考えました。

また、自分たちの仕事に興味関心がある生徒たちと触れ合うことで、私たち自身も自分の仕事の価値を実感するきっかけにもなるのではないでしょうか。

私たちと同様に、高卒新卒の採用を行っていない企業や他の高校にも、「将来を見据えた高校生インターン」が広まることを願っています。

 

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