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「あんたの顔は絶対忘れん」―CS担当が“アラカン世代”と向き合って得た、サイレントカスタマーのリアル

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【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。
 
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弓削

こんにちは!Marketing Communication室の弓削です。

2023年2月23日に実施された「アラカンフェスタ」に、LINE Fukuokaが出展しました。

アラカンフェスタとは?
生活スタイルの転換期を迎える60歳前後のアラカン(=アラウンド還暦)世代を中心とした方々に向けたイベント。“第2の人生のヒント”をテーマに、ゲストを招いたトークイベントやセミナー、企業ブース等で構成されています。
主催は福岡市などから構成される「アラカンフェスタ実行委員会」。

LINE Fukuokaブースでは「かんたん!LINE使いかた教室」と題し、LINEの基本的な使い方をお伝えする約20分のセミナーと、個別相談会を実施。
全6回予定だったセミナーは全て満席、急遽回数や席数を増やして対応するなど、多くの方にご参加いただきました。
また、参加者アンケートでは、教室の内容について「とてもわかりやすかった/わかりやすかった」が100%と好評を頂くことができました。

今回の企画を主導したのは、LINE Fukuokaでユーザーからのお問い合わせ対応等のサポートを担うCustomer Care室のメンバーです。
これまでイベント実施等の経験はなく、今回が初めてのチャレンジだったとのこと。
なぜイベントへの参画を決めたのか、実際に出展してどんな発見があったのか、担当メンバーに聞いてみました。

体制図

 

ユーザーに改めて向き合い、サービスとメンバー成長の機会にしたい

―発端は、LINE Fukuokaの広報窓口であるMarketing Communication室にアラカンフェスタ実行委員会から「協業できることはないか」とお声がけがあったこと。
「日頃ユーザーのサポートを行っているCustomer Care室の皆さんなら、アラカン世代の方々へ良い体験を提供できるのでは?」と、広報から室長の藤田さんにご相談しました。

その時点でイベント開催まで一か月強と時間も限られており、ダメ元でのご相談だったのですが、藤田さんからはほぼ即答で「やりたい!」とのお返事が。過去前例もない中で、なぜ即決できたのでしょうか?

藤田:私たちは日頃多くのユーザーとやり取りをしている一方で、これまで対面で顔を合わせる機会がありませんでした。
もちろん、メールやチャットの対応であっても常にユーザーのことは考えているのですが、テキストコミュニケーションは、人間対人間のやり取りである実感を得づらい面も正直あります。いつしかそれが「作業」になってしまうリスクもあると思っています。
対面で会話をすることで、改めてユーザーについて考える機会をつくりたい思いが以前からありました。

また、現在Customer Care室の管理職では「メンバーのわくわくを引き出す」というミッションを掲げています。
わくわくするにはチャレンジが必要で、でも一人でチャレンジするのはなかなか難しい。
今回のように、「みんなでチャレンジする」機会をつくることも、管理職の役割だと考えていたため、ぜひ、とお話しました。
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長谷川:私はユーザー対応の最前線にいるメンバーを支援する役割として、育成や研修、ナレッジマネジメントなどを担当しているのですが、その立場からも今回のイベント参画には期待がありました。
これまでは過去の問い合わせ傾向から研修等のコンテンツをつくってきましたが、オフラインでユーザーの皆様に接することで、新しいコンテンツや考え方のヒントが得られるのではないか、と。★1_DSC00915
 

―企画メンバーは挙手制で募ったと伺いました。

藤田:先ほどお伝えした室方針を鑑みて、皆さんに機会を提供することが大事だという考えに加えて、「やりたい!」と思った人がやる方がより良いものができると思ったからです。

Customer Care室ではこれまで、管理職主導で何かを決める文化が強かったと思っていますが、それを変えていきたい。
責任者なので承認は必要ですが、誰が企画して誰が動かしてもいい組織にしていきたい。
みんながチャレンジする風土をつくりたい、という思いがあります。

ただ、今回は初の試みということで、リードメンバーの舛田さんと岩切さんだけはこちらからアサインさせてもらいました。


―榊さん、田中さん、長野さん、中山さんは自ら手を挙げて参加されたメンバーですね。なぜ今回チャレンジしてみようと思ったのですか?

榊:直感的に面白そうだ、と思ったのが8割です。
それと、藤田さんと同じく、メールでのユーザー対応を繰り返す中で、人対人のやり取りであることを実感しづらいという思いは私にもあり、対面でやり取りしてみたいと思ったことも理由です。 ★1_DSC00851

田中:私は、「Customer Care室として初めての取り組み」というのが大きかったです。前例がなく、比べるものがない。あまり構えずにチャレンジできる、と感じました。企画から全て担えるのも魅力的でした。

中山:私は、過去の経験が活かせそうと感じたためです。前々職では補聴器の販売などを行っていて、高齢のお客様と対面接客する機会も多くありました。お客様の顔を見て接客する機会をまた持ってみたいとも思っていました。

長野:私は、親がちょうどアラカン世代にあたります。LINEをあまり使いこなせていないのですが、それでいいやと諦めている印象がありました。
同じ世代の方々がどう思っているのか、直接聞いてみたいなと思い、チャレンジしました。
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“楽しみながら進められる”ことが一番大事だから、適材適所の役割分担を

―実際の準備はどのように進めていきましたか?

舛田:前提として、私たちの組織はシフト勤務なので、このメンバーが揃うタイミングがイベントまでに5~6回しかありませんでした。
そのため、適材適所で役割分担をして、みんなが集まるタイミングで進捗確認ができるようにしました。
「作業の割り振り」になってしまっては楽しくないので、「接客品質担当」「資料担当」など皆さんが得意なところで、それぞれ自由に工夫できるような役割分担を目指しました。

長野:私は接客面での準備を担当しました。初めてで正直何からやっていいかわからない、という状態だったので、岩切さんにたくさん相談させていただきました。

岩切:どのくらいのお客様が来てくださるかも、どんな質問が来るのかも未知数な中で接客フローを考えていくのはかなり難しかったですね。
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舛田:お客様に対するスタンスや、接客品質としてどの程度のレベルを目指すのかなど設計し、限られた時間の中でもロープレを繰り返してくれました。
当日、想定外のこともたくさん起きましたが、お二人の準備があったからみんな落ち着いて対応できたと感じています。
セミナーを予約制にするのも、岩切さんが考えてくれましたよね。

中山:私は投影資料の準備を担当しました。資料のわかりやすさはもちろんですが、高齢の方が見ることを踏まえて、実際にスクリーンに映して確認するなど、文字の読みやすさ、全体の見やすさなども考慮しました。皆さんに意見を頂きながら、何度も修正を重ねました。
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田中:私は当日の講師と、イベント全体のKPI設計、参加者に対する事後アンケートの設計などを担当しました。講師については過去塾講師の経験があったことと、中山さんの資料が素晴らしかったので大きな苦労はありませんでしたが、KPI設計については、どんな目標を立てたら次につながるか、どのくらいの数値が妥当かなどかなり悩みました。

榊:私は普段、LINEアプリの問い合わせ対応を行っているので、チームの中でも一定仕様に関する知識があります。その面から、質問されそうな内容に対しての情報をまとめておきました。

舛田:ブースの構成も、気づいたら榊さんがやってくれていましたね。ありがたかったです!

「あんたの顔は絶対に忘れん」―改めて気づいた、サポートを必要とするユーザーの存在

―イベント当日、私もお伺いさせていただきましたが、大盛況でしたね!
実際のユーザーと接してみて、発見はありましたか?

榊:想像以上にLINEの操作を難しいと感じているんだな、と驚きました。

長谷川:アンケートで「毎日使っている」と回答されていても、基本操作のところでつまずいている方が多かったですね。

藤田:つまずいたときに、問い合わせフォームまでたどり着ける方のほうが少ないのかなという印象でしたね。

岩切:そもそも問い合わせ先があると思っていないかも。

田中:こういうイベントを今後もぜひやってほしい、というご意見も多かったですね。
需要の高さを感じました。

岩切:若い世代の場合、長い説明が嫌がられるケースもありますが、高齢のお客様の場合、丁寧で詳細な説明が求められているなと感じました。

現状、LINEの問い合わせフォームで年代などをお聞きすることはありませんが、もしかしたら事前にお聞きすることで、応対のヒントになるのかも?
あるいは、「簡単スマホ」のように、問い合わせフォーム自体もより簡易なものにできたら…。
60代以上の方に使っていただくサービスにするには、まだまだ必要なサポートがあるな、と考えさせられました。
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―当日嬉しかったことや、特に印象的だったお客様はいらっしゃいますか?

中山:直接「ありがとう、助かった」と言われること自体が嬉しかったですね。
メールでのやり取りだと、なかなか直接感謝の言葉をかけていただく機会はなく、ユーザーの皆様の反応は満足度調査の結果などで見ることが多いです。

長野:本当に解決したのかな?と不安になるときもありますよね。
今回は、きちんと解決を見届けられた安心感みたいなものがありました。

榊:「今日の説明は忘れてしまうかもしれないけど、あんたの顔は絶対に忘れない」と仰っていただいたお客様がいらっしゃいました。
そもそも問い合わせの仕方を知らず、教えてくれる場が見つからず、家族も教えてくれない状況だった、と。その言葉はとても嬉しくて、印象に残っています。
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舛田:イベント当日に知り合った方同士で参加してくれたお客様がいらっしゃったんですが、「友達追加する方法を教えてほしい」と。
お教えしたところ、その場でLINE交換をされていて、「これでランチに誘えるわね」と楽しそうにお話されていました。今回の場があったことで、LINEらしいつながりをつくれたのは嬉しかったですね。

田中:1日を通してネガティブな気持ちになることが全くなく、楽しかった!という感想です。自分も機会があればまた参加したいですし、他のメンバーにもぜひ体験してもらいたい、と感じました。

それと、当日を迎える前は、そもそもLINEを使っているのか?という心配もありました。
でも実際には、毎日のように使っているという方がほとんど。
自分たちのサポートしているサービスが本当に幅広く利用されていることを実感できました。
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当日のアンケート。フリーコメント欄がない中、空きスペースに嬉しいコメントをくださる方が多数

「サイレントカスタマー」に、CSとしてどう向き合っていくか

―今後の展望について、教えてください。

長谷川:明確にニーズがあるとわかりましたし、こうした場を継続的に持つことも検討したいと思っています。

LINEの国内MAUが今9400万ほどなのですが、CSに来る問い合わせ数は1日2000件程度なんですよね。
過去、自分が他社で経験したCS等とくらべると、ユーザー数に対して問い合わせ数が非常に少ないと感じています。

ユーザーに疑問が無くて問い合わせが発生していないのなら良いのですが…そうではなく、問い合わせたいけど問い合わせられない「サイレントカスタマー」が多数いらっしゃる可能性が高い、というのを今回強く感じました。
今後高齢化も進んでいく中で、その課題に対してCSとしてどうあるべきか、考えていかないといけないなと。

藤田:そうですね。実は9400万人のユーザーの内、4人に1人、約2700万人がアラカン世代だという概算データもあります。
その実態として今回の気づきをサービス企画側にフィードバックして、この場だけの対応で終わらないようにしたいと思っています。

組織やメンバー成長の観点で言うと、今回、メンバーの通常業務とは違うアクションや表情が見られたことも印象的でした。
こんなにみんながわくわくしてくれるんだ、という驚きがあり、実は管理職で自分たちのマネジメントについて反省会をしていました。(笑)
もっと意欲を引き出すためには、こんなアプローチの仕方もあるかも、など早速いろんなアイディアや気づきもあがっています。

室のミッションである「ユーザーに最高のサービスを提供していく」ことを実現するために、
目の前のサポートをよりよくしていくのはもちろんですが、それ以外でユーザーに何ができるのか、これからも日々考え続けて成長していける組織にしたいですね。★1_DSC09713

 

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