LINE Fukuokaから7名受賞!LINEグループ カスタマーケアの祭典
【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。
2011年6月のサービス開始以来、世界230以上の国と地域で利用されているLINEとLINE関連サービス。
ユーザーからのお問い合わせ対応を行うコミュニケーターも、日本、台湾、タイ、インドネシア、フィリピンなどアジア諸国のオフィスで活躍しています。
世界中のユーザーと向き合うコミュニケーターから年間優秀者を選ぶ「Global LINE CC STAR」が(以下、CC STAR2022)、2022年も開催されLINE Fukuokaからは7名が受賞しました。
■ CC STAR2022について
部門ごとに設定された定量・定性の評価軸による期間内の成績優秀者を選抜。その後、プレゼンテーションによる2次選考が行われる。
評価内容の詳細一例:
・改善提案における改善レベルやスケール、事業貢献度合い
・マインド面では、チームにとって重要な気づきやサポート、発信ができているかなど
セレモニーの様子
受賞者を囲んだセレモニーが2つ行われました。
LINE Fukuokaのオフィスで開催されたローカルセレモニーは、ナレッジの共有がメイン。
受賞者による取り組みの発表の後は、室長をインタビュアーにした公開取材。受賞者の取り組みを深く理解するとともに、来年度に向けた学びを持ち帰りました。
受賞者へ副賞の授与も
もう一方はグローバルセレモニー。今年はタイのコミュニケーターが主催者となり、5カ国の各拠点に所属する受賞者が参加。それぞれの国の見どころをまとめたムービーを発表しあったり、拠点対抗のクイズをしたり。
受賞者が国や言語を越えてオンラインでつながり、2022年度の活動を称え合うとともに交流しました。
グローバルセレモニーに参加中のLINE Fukuoka受賞者
今年のイベント進行はタイ拠点
地域や映画などいくつかのカテゴリからクイズが出題
拠点ごとに正解数を競います
オンラインでつながった他拠点のGCC2022受賞者たち
来年こそはオフラインで集い、お互いの活躍を称えられることを願ってセレモニーは終了
2022年の受賞案件を一部紹介
セレモニーの雰囲気を感じていただいたところで、ここからはGCC2022受賞者の取り組み2つを紹介します。
いずれも課題解決に向けた取り組みです。CS領域でご活躍のみなさんはもちろん、業務改善に向けたヒントとしてお役立ていただけますと幸いです。
徹底的なデータ活用で品質を25%改善
受賞:Customer Care室 久保山
LINE LIVEのユーザー対応の品質を向上させた施策です。
LINE LIVEは動画配信におけるコミュニケーションアプリであり、ライブ配信のプラットフォーム。ユーザー自らライブを生配信したり、ライバーのライブ配信を視聴したりできるサービスです。
久保山が所属する部署では、定期的に開催されるイベントや、有名アーティストのLIVE配信など、さまざまな機能について問い合わせに対応してきました。
- 背景
- お困りごとを解決できたかの指標 Resolution Rateを重視
・ユーザーからのお問い合わせは、個別に調査を実施しメールで回答
・回答時にサポートに対するアンケートを実施。その中に「お困りごとを解決できたかどうか」を把握するための質問があり、Resolution Rate(レゾリューションレート、以下RR)として定量指標になっている。この指標を達成する事は品質面における重要なミッション。
- お困りごとを解決できたかの指標 Resolution Rateを重視
- 課題
- RRは低下しているが、具体的な対策を立てられていない
・LINE Fukuokaでお問い合わせ対応を行う他サービスと比較して、LINE LIVEのRRはそれらを下回っていた
→RR低下の要因特定と合理的な改善策の設計ができてない
- RRは低下しているが、具体的な対策を立てられていない
- 解決策
- ①改善策を設計・実行できるチーム作り
└RR向上を目的としたグループをつくり、定例ミーティングを設ける
└容易に実行施策の状況把握をできる関係者用の社内wikiページを作る - ②要因の特定ができる環境づくり
└問題発生の原因特定のためにRR分析ツールを作成
└ツールの特徴:
・グラフを用い推移を視覚的に確認できる
・お問い合わせのカテゴリごとのアンケート結果実数とRRが分かる
・どのカテゴリや数値の改善にフォーカスすることで高い効果が得られるか認識できる - 個別アクションの一例
・RR分析ツールを利用し、 お問い合わせカテゴリ「不具合」のRRが極端低く、この数値を改善することでサービス全体のRRが大幅に改善することを試算
・ユーザーへ定型文で案内することが多く、内容がパーソナライズされていないことで解決へ導けるケースが少なかった
→ パーソナライズされた回答ができれば、「不具合」のカテゴリでRRが獲得できると仮説を立てる。「ヒアリング事項の精査」「改善までの手段の提案」「事業部へのエスカレ後、解消の見込みや個別対処を案内する」など、よりパーソナライズされた回答パターンに変更
- ①改善策を設計・実行できるチーム作り
- 効果
- 約半年で解決率は25%上昇。改善につながる。
コメント:
記載の内容を主に意識して取り組みました。
今回の事例では特定のサービスの解決率の改善をテーマにしましたが、何に対しても、あるべき姿に対して、課題や原因を明らかにして、最適解となるソリューションを打ち立てる事が解決のみちのりだと考えています。
今後も、様々な課題に対して合理的に解決に努めていきたいと考えています。(久保山)
ユーザーの声を分析することで、本人確認不備からのサービス離脱を4%改善
受賞:Fintech Operation室 佐藤
LINE Payで本人確認不備が発生した場合のサービス離脱をカスタマサポート領域から改善した取り組みです。
LINE Payは、LINEのモバイル送金・決済サービス。サービスを安心・安全かつ便利にご利用いただくために、本人確認が必要です。LINE Payには本人確認をアプリから「本人確認書類の撮影」「顔写真の撮影」「本人情報入力」の3つのステップのみで完了できる仕組みがあります。
- 背景
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サービスの肝である「本人確認」にて、再申請せず離脱するケースも
・LINE Payに関連するお問い合わせのうち、数%は「本人確認」に関する内容
・「本人確認」は、LINEの他Fintechサービスを利用する上でも必要な申請
・本人確認が拒絶された際は、その理由はユーザーのLINEアカウントへサービス公式のアカウントから届く仕様だが、「理由がわからない」といったお問い合わせが発生している
・ご理解・ご納得いただけていないことで、再申請された方が同じ理由の不備が続くこともある
・ユーザーからのアンケート回答を振り返りと「本人確認」不備発生後の再申請状況を調査<アンケート振り返り>
・ LINE Pay関連の問い合わせ全体と比較して「本人確認」に関するお問い合わせの解決率と満足度がやや低い傾向
・「どうして、本人確認が拒絶されたのか」という内容が大きな割合を占めていた
<再申請状況を調査>
・本人確認で不備が発生した後、問い合わせを行った(=本人確認を進める意思が強い)ユーザーであっても離脱は起きていた
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- 課題
- 正しい申請方法が分かりづらい
- 申請画面にユーザー向けの案内がない
- サービスから届く案内では拒絶理由が具体的ではなく、拒絶理由が正しく伝わっていない
- 解決策
- ①ユーザーが不備なく申請できる工夫
・申請画面に入力方法のガイド/ヘルプを追加
画面の上部に、入力方法のヘルプへ遷移するリンクを表示し、クリックすると画像付きで入力方法のガイドが表示されるように変更 - ②不備があっても正しく再申請できる工夫
・不備があり拒絶となった際に、サービスのLINE公式アカウントから送信される文言を追加・変更
例:
改善前「身分証全体と記載情報が写るように撮影してください」→「身分証の文字や顔写真、公印が見切れたりブレたりすることなく鮮明に写るように、身分証全体を撮影してください。また、…」
- ①ユーザーが不備なく申請できる工夫
- 効果
- 本人確認不備からの離脱が4%減少
・拒絶理由に関するお問い合わせの数に変化はなかったが、本人確認を拒絶後の離脱は初回調査時より4%減少
・理由をご理解いただいた上で、再申請へとつなげることができた
- 本人確認不備からの離脱が4%減少
コメント:
本人確認はLINE Payだけではなく、関連する他サービスでもとても重要度が高いものとなっています。
本人確認の拒絶が起こす影響やそもそも拒絶になる理由、本人確認申請の仕様など様々な角度から分析を行った結果、ユーザーニーズに近づくことができたのではないかと考えています。
今回の取り組みを通じて、お問い合わせに対するご案内による問題解決はもちろんですが、ユーザーの声を分析・数値化して企画者や開発者に伝えていくことも大切だと思いました。中には実現が難しいものもありますが、CSと企画者・開発者間でユーザーの声を共有することが重要なのかなと思います。
また、同僚の方々にたくさんサポートいただき本当にありがたかったです。私も他の方のチャレンジに対して積極的にサポートを行って、チーム全体でNo.1のサービスを目指していきたいと考えています。(佐藤)
お問い合わせを通して、ユーザーと直接つながっている各国のコミュニケーターたち。
つねにユーザー視点で課題を解決し、そこからサービスをより良くしようとチャレンジを続けています。
今後もLINE Fukuokaの組織や業務について、LINE Fukuoka Pressより発信してまいります。