AIの知見を、地域の学びへ。LINEヤフーコミュニケーションズ、ふくや社員向けに生成AI研修を開催
LINEヤフーコミュニケーションズのAI運営部は、株式会社ふくやの社員を対象に、生成AIをテーマとした研修「生成AIの力を知る〜ふくやの可能性を開く第一歩〜」を開催しました。
AI運営部は、AIサービスの学習データ作成やアノテーション、セールス、カスタマーサポートなど、AIを活用した多様な業務を担う専門部門です。日々の業務で培ったAI活用の知見や実践ノウハウを、社内外に広く還元することを目指しており、今回の研修もその取り組みの一環として企画されました。
不確実性の時代に、社員が一歩を踏み出すために
今回の研修の背景には、ふくやが今年度の基本方針として掲げる「不確実性の時代における生成AIの活用」というテーマがありました。
ふくや人事担当者は、次のように語ります。
「今年度の基本方針として掲げている“生成AIの活用”を、まずは社員一人ひとりが身近に感じ、触れたことのない人も“触れてみよう”というマインドになってもらうことを目標にしました。初めの一歩を踏み出すために必要な知識を得る場として、今回の研修を希望しました。」
AIを“難しいもの”として構えず、体験を通じて理解を深める——そのような第一歩を支援する機会として、本研修は企画されました。
きっかけは、春に開催された「九州イノベーションWEEK」。
同イベントで登壇したAI運営部 部長・加藤の講演を聴いたふくやの担当者が、「社員にもAIの話を聞かせたい」と依頼をくださったことが始まりでした。
研修の様子をレポート!
ふくや社員80名が挑んだ生成AI研修
研修はLINEヤフーコミュニケーションズのセミナールームで行われ、オンラインも併用したハイブリッド形式で開催されました。会場とオンラインを合わせて、約80名のふくや社員が参加しました。過去最高の人数となる、全社員のおよそ3分の1が研修に参加する規模となりました。

株式会社ふくや代表取締役社長川原様にもご参加いただきました
まずは、今回の研修のきっかけをくださったふくやの人事担当者からのあいさつ。
「今日の学びを明日の業務に活かしてこそ、研修の価値がある」というメッセージが贈られ、会場は温かくも引き締まった雰囲気に包まれました。
続いて登壇したのは、AI運営部 部長の加藤。
「今日は皆さんと“AIをどう味方にできるか”を考える時間にしたい」と語りかけ、AIの基礎から生成AIの仕組み、そして「AIを活用する上での考え方」までを、身近な例え話や実際の業務での活用事例を交えて紹介しました。
中でも加藤が最も強調したのは、「AIを正しく扱うための“伝える力”」の重要性です。
「AIは100点を出す存在ではなく、人と一緒に100点を目指すパートナーです。大切なのは、AIにどう伝えるかを意識することです。」
専門的な内容も“自分ごと”として理解できるよう工夫されており、参加者の表情には笑顔や頷きが見られ、和やかな時間が流れました。
会場が一体になった、双方向の学び
講義の中では、加藤が何度か質問を投げかけ、会場とオンラインの参加者がスマートフォンでリアルタイムに回答。
その結果をその場で共有しながら進行するなど、全員が一体感を持って参加できるインタラクティブな形式で実施されました。

写真左:参加者が質問に回答する様子 写真右:回答結果をスクリーンに映し出し、加藤がコメント
終盤のアンケートでは、「わかりやすかった」「使ってみたくなった」「積極的に活用してみたい」といった前向きなコメントが多く寄せられました。「間違いが多いと聞いていたが、指示の仕方によって精度が変わることがわかった」という声もあり、会場全体に「自分もやってみよう」という前向きな雰囲気が広がっていました。
AI運営部メンバーも登壇、現場の実践を共有
加藤の講義後には、AI運営部のメンバー3名が登壇。現場でのAI活用事例を紹介しました。
生成AIを使ったExcelデータチェックの自動化や、チームビルディング施策、中学生向けワークショップ「キッズAIスクール」など、日常業務や人材育成に根ざした具体的な取り組みが次々と披露されました。
どの取り組みにも共通していたのは、AIを業務改善や学びの場に役立て、“身近なツールとして広める”という姿勢です。

最後の質疑応答では、「自分の業務ではどう活用できるか」といった具体的な質問が多く寄せられ、参加者一人ひとりがAIの活用を自分の仕事と結びつけて考える姿が印象的でした。.jpg?width=2300&height=1293&name=5%20(1).jpg)
“現場に寄り添った学び”が共感を呼んだ
研修を終えて、改めてAI運営部 部長・加藤に、今回の取り組みに込めた思いを聞いてみました。
――今回の研修依頼を受けたとき、どんなお気持ちでしたか?
加藤
ふくやさんからお声がけをいただいたとき、“ぜひお引き受けしたい”と思いました。
実家の食卓にはいつも明太子が並んでいましたし、アビスパ福岡の経営危機を支えてくださったことも覚えています。
地元・福岡に根ざし、社会に貢献されてきた企業に自分の仕事で少しでも力になれるならと思いました。
――研修の準備ではどんなことを意識されましたか?
加藤
そのために、実際に店舗や工場にも足を運び、現場での業務や雰囲気を直接拝見しました。どの職場でも共通して感じたのは、「人の力で支えられている現場の温かさ」です。
AIの話をするなら、その“人の仕事”をどう支えるかという視点を欠かしてはいけない――
そう考え、社員の方々が自分の仕事とAIを自然に結びつけられるように、事例や話し方を工夫しました。
――実際に研修を終えて、印象に残ったことはありますか?
加藤
また、「AI部を立ち上げようという話も出ています」という声もあり、本当にうれしかったですね。
知識を“共有”するだけでなく、参加者同士が一緒に新しい価値を生み出す“共創”につながるきっかけになったと感じました。
――今回はAI運営部のメンバーも登壇されましたね。
加藤
それぞれが自分の言葉で、AIの面白さや活用方法を伝えていて、とても頼もしく感じました。
こうした機会を通じて、メンバーが自分の言葉でAIを語れるようになることが、AI運営部全体の価値を高めることにつながると感じています。
ふくや人事担当者の声
「今回の研修を通じて、“気になっているけれどどうしたら…”という社員が、初めの一歩を踏み出す勇気を得られたと感じています。
アンケート結果からも、受講者は『楽しく学べた』『生成AIを使うハードルが下がった』という声が多く寄せられるなど、前向きな反応が目立ちました。また、『セキュリティ面についての理解を深めたい』『より良い活用をしていきたい』という声もあり、社員の関心が“試してみる”から“より正しく活かす”へと広がっていることが伺えます。
今後は社内のセキュリティ環境を整備しながら、社員のAI活用スキル向上、業務効率化、考え方の変革を進めていきたいと思います。」
これからも、現場と共にAIを届ける
今回の研修は、ふくやの皆さんにとってAI活用の第一歩であると同時に、LINEヤフーコミュニケーションズにとっても、地域の企業と共に学ぶ貴重な機会となりました。
AI運営部は今後も、AIを“難しい技術”ではなく“人を支えるツール”として伝え、現場に寄り添いながら地域の可能性を広げていきます。
登壇・研修のご依頼について
LINEヤフーコミュニケーションズ AI運営部では、社内外向けの生成AI研修や講演を行っています。
ご関心のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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