多様な特性を活かした働き方の実現ー「社内相談員」が支える安心して働ける職場環境
こんにちは!LINEヤフーコミュニケーションズ広報の宝です!
2024年4月、「改正障がい雇用促進法」および「改正障がい者差別解消法」が施行され、企業の法定雇用率の引き上げや障がいのある社員への合理的配慮が求められています。これに先駆け、当社は多様な社員が活躍できる組織づくりのために、さまざまな取り組みを実施してきました。
本記事では、障がいのある社員の職場適応を支援する「社内相談員」の導入背景や具体的な支援活動についてご紹介します。「社内相談員」として活躍する経営支援部の柿谷さんと深川さんに話を伺いました。
「社内相談員」の仕事
―「社内相談員」はどんな仕事をしているのですか。
深川:「社内相談員」は、障がいのある社員の職場適応を支援しています。具体的には、5つの仕事を担っています。
- 社内各部門からの新規業務の誘致
- 採用に関連する業務
- 定期面談(就労に関する相談や職場適応の向上への対応等)
- 社内各部門担当者との窓口
- マニュアルやレギュレーション整備、業務指示補助
社員本人だけでなく、各部門の担当者ともコミュニケーションを取り、サポートやアドバイスを行っています。さまざまな方面から話を聞くことで、業務上のストレスや困りごとを把握できるようにしています。
―「社内相談員」が導入された背景を教えてください。
柿谷:元々、障がいのある社員はバックオフィス部門をメインに活躍していましたが、昨年からLINEヤフーのサービスの運営を担う部門での採用を促進することになりました。業務の種類が多様化し、採用人数が増加することに伴って、将来的に更に大きな規模でのサポートが必要になると考え、「社内相談員」を導入しました。
多様な特性や強みを活かした活躍
―どのような障がいを持った社員が活躍していますか?
柿谷:精神障がい、知的障がい、身体障がいなど、さまざまな特性の方が活躍しています。
―具体的にどんな業務を担当しているんですか?
柿谷:運営部門の領域では、LINEヤフーのサービスにおけるコンテンツのモニタリングやツール設定作業など、サービスを維持・向上させるための運営業務全般を担当しています。バックオフィス部門の領域では、人事労務の業務サポート、オフィス清掃、マッサージなど幅広い分野で、それぞれの特性にあわせた人員配置を実施しています。
深川:皆さん、一般の社員同様に活躍しており、自分の特性や強みを活かしながら会社にさまざまな形で貢献しています。例えば、パソコンのスキルが高く、エクセルのマクロ修正に対応してくれている社員や、イラストと文章作成が得意な社員が社内のメルマガを作成してくれていますね。
先日、当社は就労移行支援事業所スプライフ(博多センター)さんの講演会に、障がい者雇用に取り組む企業として招かれ、実際に社員たちが自分の仕事内容を発表する機会をいただきました。部署をまたいで3種類のサポート業務を担当している社員などもいて、皆さんの活躍ぶりを改めて実感しました!
現在担当している業務だけでなく、働くうえで心がけていることも発表した大森さん。
講演会に参加していた障がいのある求職者に、自分なりのコツを伝授していました!
「不得意」ではなく「できる」に目を向ける
― コミュニケーションを取る時に意識していることは何ですか?
深川:皆さんの「不得意」ではなく、「できる」に目を向けるようにしています。障がいのある方の中には、自分の「不得意」が悪いことだと思い込み、萎縮している方もいます。相談に乗る際は、彼らの「できる」をどのように最大限に活かせるかを一緒に考えるようにしています。「できる」を全力で活かせている時が最高のパフォーマンスの発揮につながっていますので。
一方、彼らが自分の課題だと思い込んでいたことが強みになるケースもたくさんあるため、すぐに「不得意」と決めつけないようにもしています。例えば、細かいところまで気になってしまうことが自分の「不得意」だと思っていた方が、その特性を活かしてマニュアルの改修に挑戦してみた時、運営部門の業務フロー・マニュアルの強化に大きく貢献していました。
柿谷:そうですね!「不得意」をどうカバーするかという点も一緒に考えます。本人の「不得意」や課題について触れずに、「できる」を褒めるだけでは、逆に本人たちが不安になってしまうこともありますし、成長にもつながりません。ですから、彼らの課題についても少しずつ話し、それをカバーできるような方法をアドバイスしたりしています。また、当社は就労移行支援事業所を介しての採用も行っているため、そちらのご担当者と会話する中で、適切なコミュニケーションの取り方も学び、日頃のコミュニケーションに活かしています !
<障がいのある社員の声>
入社前は、自分の障がいの特性上、ミスが多く、障がいに対してネガティブな思いを抱いていました。しかし、当社に入社してからは、障がいや国籍、性別などさまざまな多様性を受け入れてくれる環境で、障がいは悪いことではなく、その人の個性であると感じるようになりました。苦手なことよりも得意なことに着目してくださる方が多いと感じてからは、自分の障がいを悪く思う必要はないと考えるようになり、自己肯定感が上がり、人生の充実感が高まりました。
キャリア形成を支援するための「社内相談員」のチャレンジ
― キャリア形成を支援するために、これまでどんなことにチャレンジしてきたんですか?
深川:親会社であるLINEヤフーの障がい者採用方針に『「配慮」はしますが、「遠慮」はしません』とあります。これに習い、LINEヤフーコミュニケーションズでも特性にあわせた「配慮」はするのですが、皆さんの「できる」をどんどん増やすことに遠慮なくチャレンジしています。例えば、バックオフィス部門である私のチームにも障がいのある社員が何名かいて、これまで対応するのは難しいと判断していた業務に対して、詳細なマニュアルを整備するなどサポートを工夫しながらアサインしてみたところ、一般社員と同等に対応できるようになりました(例:備品の発注・支払依頼の申請など)。こういった形で、社員の成長、ひいてはキャリア形成につながるようなチャレンジを行っています。
柿谷:運営部門の業務でも同じですよね。成果を評価して、「新しい業務を〇〇さんにお願いしたいです」と指名をいただくこともあります。
深川:嬉しいですよね。何よりも本人の頑張りがあるからこそ、業務範囲を広げられているんだと思います。一方で周りのサポートも大事だと考えていて、昨年「社内相談員」の導入にチャレンジし、積極的に運営部門の業務を誘致したり、新しい挑戦の機会を得られるように働きかけたことで、皆さんが安心して業務に取り組み、自分の強みを最大限に活かせる土壌が作られてきていると思います。
当社の障がい者雇用の取り組みは、
就労移行支援事業所スプライフ(博多センター)さん主催の講演会でも紹介させていただきました。
多様な人材の活躍が、組織・人・サービスを強くする
―LINEヤフーコミュニケーションズはなぜ障がい者雇用に積極的に取り組んでいるのですか?
柿谷:当社は、サービス・企業成長において人材 の多様性を重要と考えており、ダイバーシティを推進してきました。国籍、性別、障がいの有無などに関わらず、みんながいいと思うサービス・企業にしたいという思いがあるので、多様な視点や特性を日々の仕事に活かしています。障がい者雇用はその中の一つの取り組みです。
深川:今年から運営部門における障がい者雇用推進専門組織も発足しました。柿谷さんと私も所属しているこの組織は、より幅広いキャリアの選択枠を提供し、多様な視点や特性をサービスに活かすことを目的としています。設立背景には大きく2つの課題があります。
- 部署の業務内容ごとに、個々の特性に応じた環境の整備が難しいこと
- メンタリングや体調管理など、障がいを持つ社員のフォロー体制構築に対する受け入れ部署側の不安があること
これまで柿谷さんと私は、運営部門やバックオフィスへの新規業務の誘致や社内各部門担当者との窓口を担当してきました。しかし、今後は新組織一丸となって、運営部門における新規業務の誘致や定着化のためのサポート、環境構築を積極的に行っていきます。運営部門と協力しながら課題を解決し、キャリアの選択肢を広げたいですね。新たなチャレンジの機会をたくさん作ることで、サービス・企業成長への貢献はもちろん、本人たちの成長も期待しています。誰もが成長していけるような会社を目指したいですね。
柿谷:そうですね。そのためにも、「社内相談員」としてもレベルアップしていきたいと思っています。先日は、障がい者職業生活相談員資格認定講習にも参加してきました。皆さんをよりサポートできるよう、引き続き積極的に勉強していきたいと思います!