女性管理職のリアル 国際女性デーに聞くキャリアの話

日本は世界の国々と比べて女性の管理職が少ないと言われますが、皆さんのまわりはどうですか?
LINEヤフーコミュニケーションズでは、性別を問わず多様な人材が活躍しており、管理職全体における女性比率は32%※に達しています。今回は、国際女性デーに合わせて、女性リーダーとして活躍する安部さんと村上さんにお話を聞きました。仕事への向き合い方やキャリアの道のりなどに迫ります。
※2024年4月時点

安部英里(あべ・えり)
コミュニケーションCS本部 本部長
2009年、当時のヤフーのカスタマーサポート事業会社(ヤフーカスタマーリレーションズ)大分センターに契約社員として入社。2012年に正社員になり、スーパーバイザー、リーダーの経験を経て2016年に部長職に。2024年4月から現職。

村上恵梨子(むらかみ・えりこ)
グローバルオペレーション本部 本部長
前職は不動産を扱う金融系企業で、契約社員からスタートしスーパーバイザーや課長職を経験。2020年、当時のLINE Fukuoka入社。リーダー、審査オペレーション部の部長を経て2024年4月から現職。
キャリアのスタートは契約社員
― プロフィールをみると、お二人とも契約社員からキャリアが始まっているんですね。
村上:前職は契約社員からのスタートで、ありがたいことにキャリアアップの機会に恵まれました。一方、当時は周囲に年上の人が多かったので、あるとき「同世代の人たちと切磋琢磨する経験をしたい」と考えて転職を決めました。
旧LINE Fukuokaに正社員として入社してからは、審査と営業業務の組織マネジメントや業務改善を担当し、成果も出せました。リーダーに昇格したときには、現場に入らなければわからないことがあるなと思って、反社チェックや審査のリーダーも兼務しました。
安部:私は入社約3年のタイミングで正社員になりました。それからシフト責任者という役割を経験し、スーパーバイザーとしてチームを異動しながら仕事の幅を広げました。部長としても大分でモニタリングやメディア系のサービスを管轄し、北九州センターにも短期で異動して決済系のサービスのマネジメントもしました。
振り返ってみると、キャリアアップする時って、そのポジションが空いたときなんです。当時旧ヤフーには直属の上長に加えて関連部署の役職者が集まって、配下メンバーそれぞれの育成方針を話し合う「人財開発会議」が年に1度ありました。私としても自分のキャリアを考えるいい機会でしたし、役職者のみなさんも「安部に向いていることをやらせてみようか」と思ってくれたんでしょうね。ただ、受け身ではなく、やってみたい仕事があれば自分から「やってみたい」と上長に伝えていました。
― キャリアに影響を与えたできごとについて聞かせてください。
安部:あるサービスでリニューアルを失敗しまして、大分ではなく別のセンターが対応に追われて大変なことになったことがあります。その時、当時の私の直属の部長が「(他拠点だけど)手助けしよう」とおっしゃったんです。
それまでは各拠点の中で問題解決することが多かったのですが、初めて拠点の枠を超えて助け合うことを経験しました。もちろん、私たちの仕事って1人ではできないことが多いけれど、もっと枠を超えて協力し合える仕事なんだということを実感できた経験でした。
管理職になるにつれて、解決しなければいけないことがたくさん出てきます。そうなった時に自分でなんとかしようとするのではなく、他の部門にアドバイスをもらったり、協力をお願いしたりすることって重要なんです。視座が広がるきっかけになった経験でした。
村上:私が特に印象に残っているのは、3年前に社内表彰制度の実行委員として関わった時ですね。その期間中に、本務でリーダーから部長へ昇進したんです。部長としての発言や立ち振る舞いが難しいな、と思っていた中で、同じ実行委員として関わっていた、他部署の3人の部長が、私を巻き込んでくれたんです。仲間にしてもらえたという感じで、すごく大きな経験でした。
もともと、同世代の人たちと一緒に働いてみたいという好奇心があって転職をしたのですが、組織によっては外部から来た人を受け入れてくれないような文化もあると思います。でも、LINEヤフーコミュニケーションズでは表彰制度のような全社横断のプロジェクトを通じて、実行委員の方々が新しい環境や、新しい立場の人を積極的に受け入れ、仲間として迎えいれる姿勢を体現していて、とても刺激になりました。
村上さんは3年前の実行委員の経験を活かし、今年は社内表彰制度のプロジェクトオーナーを務めました!
― お二人とも先輩の部長から学ぶことで、視野が広がっているんですね!
安部:遠い存在だった管理職の仕事も、自分のポジションに近づくにつれて、具体的に見えてくるんです。
村上:キャリアの段階を上がるたびに、ちょっと先を行くポジションの方たちが、次に何が必要かを示してくれて、それが新しい視野を広げるきっかけになることもありますね。
管理職に必要なのは「主体性」
― 管理職として必要なスキルって、どんなものでしょうか?
安部:困難な状況に対応する力、ですかね。例えば、私はあるシステムを別のシステムに切り替えるプロジェクトに大分センターの代表として携わったことがあるのですが、こうした大きなリニューアルやインシデントのときに、率先して動き、自分から解決策を出したり人をまとめたりする経験が成長につながると思っています。
リーダーは自分で考えて道を作っていくことが大事だと思うので、主体的に率先して動く姿勢が必要ですね。
村上:私も同意見!「火事場の力」だと思っています。前職でのことですが、事業が右肩上がりで、オフィスが増えたり新システム導入したりと目まぐるしい時期を経験しました。そんな中、新部署が立ち上がって管理者が必要だから私がアサインされることになるんです。「たまたま」でもありますが、振り返ると日ごろから周囲と積極的にコミュニケーションをとっていた姿勢がアサインされることにつながったとも思っています。
ー自発的に動く姿勢がお二人の共通点ですね。調整力やコミュニケーション能力を効果的に身に付ける方法ってありますか?
安部:私は入社した当初から、分からないことはめちゃめちゃ質問していましたね。
村上:私の場合、他の人があまり手を上げたがらないような、部署を横断するプロジェクトや難易度の高いプロジェクトにも積極的に飛び込んでいました。そうした仕事に関わり、いろんな人とコミュニケーションとらないと仕事が進められない状況に追い込むことで、結果として大きな学びを得ることができました。
みんながありのままでいることを大事に
―最後に、働く女性のみなさんにメッセージをお願いします。
安部:「女性だから、男性だから」ということではありませんが、それぞれに感性や考え方の違いはあると思います。リーダー層にも性別の多様性がある方が、アイデアや意思決定に幅が広がると思います
村上:働く女性のみなさんに伝えたいことは、例えば男性がマジョリティーである場にいたとしても、男性っぽくなる必要はない、ということです。そもそも生物学的に違うから、男性に合わせようとすると、しんどいことってある。だから「自分のままでいる意識」を常に持っておくといいと思います。
かっこよく言えないですけど、みんながありのままでいることを大事にしてほしいです。