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【社内表彰GOLD受賞者に聞く】Impact/Ownership/Nextで読み解く、ユーザー体験を前に進めた判断と工夫

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 大きなサービスほど、ユーザーの声は多様になり、打ち手の選択肢も増えます。そのぶん「どれを優先するか」「どこまで踏み込むか」は難しくなりがちです。

そんな日々の仕事の中で生まれている「良い仕事」を部署横断で見える化し、社員の優れた取り組みを讃える社内表彰イベントが「LINEヤフーコミュニケーションズAwards」です。 

本記事では、同イベントでGOLDを受賞した4事例について、受賞者に話を聞きました。評価基準であるION(Impact/Ownership/Next)を手がかりに、現場で何をどう判断し、どう前に進めたのかをたどります。

GOLD受賞4事例

岩井(AI運営部)

LINE WORKSのコンタクトセンター向けAIボイスボット「LINE WORKS AiCall」に、AI運営部は事業運営面(マーケティング/インサイドセールス/企画・PM/学習データ整備など)で参画しています。その取り組みの一つとして、短期導入を想定した新製品「VOICEIVR」の立ち上げに伴走し、導入までの準備を進めました。



高松(クリエイティブ部)

LINEヤフーが提供するLINEのリアクション機能で、ユーザーが保有する絵文字を使える新機能の提供開始に際して、クリエイティブ部は体験設計の面から参画しました。絵文字での楽しい表現を広げつつ、迷わず使える体験を目指して、導線とUIを整えました。

奥野(スマートシティ事業部)

法人・個人事業主がLINE公式アカウントを活用しやすくするために、マーケティング支援ツール「LINEスグミエール※」を立ち上げ、提供開始までを推進しました。
※LINEスグミエールは、LINE公式アカウントの配信を「届けたい人に合わせた形」で整理しやすくするツールです。アンケート回答や既存の顧客データも組み合わせて、配信の対象や内容をまとめられます。

清池(マルチサービスCS部)

LINE MUSICのカスタマーサポートで、案内文面を工夫し、利用の継続を後押しするコミュニケーションを組み込みました。

 

Impact|成果の始まりは「ユーザー体験の焦点」だった

——ユーザー体験の焦点はどこに置き、どんな変化(影響)を生む設計にしましたか?

岩井:これまで「LINE WORKS AiCall」では、お客さまごとにシナリオ設計や学習、外部連携までを個別に組み立てて提供することが多く、導入まで一定の準備が必要でした。
一方で顧客からは「できるだけ早く使い始めたい」という声も強くありました。
AI運営部では、事業運営面で参画する立場として、そうした顧客の声を受け止めながら、「より早く使い始められる形」をLINE WORKSと協議していきました。そこで短期導入を想定した新製品「VOICEIVR」の立ち上げに伴走し、短い準備期間で導入しやすい形を整えていきました。「早く使い始められる」ことを価値として届けたかったんです。あわせて、使い始めた後も運用しながら見直していける状態を意識していました。
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高松:LINEのユーザーインタビューで印象に残ったのは、「長い文章を返さずに、気持ちは伝えたい」という声です。リアクションは、まさに「さりげない優しさ」を表現できる機能だと思っています。
狙ったのは、すばやく気持ちを伝えられ、表現の幅も広がることです。そのうえで迷わず使えるように、導線やUIの整理を重ねました。

奥野:ユーザーのみなさんと向き合う中で、「LINE公式アカウントを活用したい気持ちはあるけれど、仕入れや接客など日々の業務で忙しい中、運用に割く時間や、使い方を理解する負荷が大きい」という実態が見えてきました。
そうした状況でも無理なく使える形を目指して、「LINEスグミエール」の立ち上げを進めました。

清池:カスタマーサポートは困っている方に答えるのが基本です。ただ、その先には「安心して使い続けてもらう」という体験もあります。
LINE MUSICの問い合わせ対応の流れの中で、安心して利用を続けやすくなる案内の仕方がないかを考えました。情報が整理され、選びやすくなること自体が価値になると捉えています。
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4人の話を並べると、最初にあったのは「成果を出すための打ち手」ではなく、「ユーザー体験の焦点をどこに置くか」という整理でした。焦点を先に決めることで、その後の判断が前に進みやすくなり、早く使い始められる/迷いを減らす/負荷を下げる/安心して続けられるといった変化に設計を揃えていけます。

Ownership|独断じゃない。対話と検証で決め切る

——それぞれ難しい課題に直面する中で、何を重要だと捉え、どんな決断をして前に進めましたか?

高松:リアクションの選択肢が増えると、ユーザーが迷う可能性があります。そこで、「1つ増やすなら1つ減らす」くらいのことを意識し、UIを検討しました。絵文字一覧を呼び出すボタンを追加しつつ、ボタンの総数は変えず、操作性を保つ形にたどり着きました。
減らす対象には思い入れもありますし、議論にもなります。それでも、迷わず使えることを優先して決めました。
また、LINE全体の体験には複数のチームが関わっています。だから「この作法は自然か」「初見で伝わるか」を他チームとも何度も議論しました。長押ししたときのパネルの印象や、アイコンがきちんと伝わるか。誤解されない設計が必要でした。作ってはレビューし、また作る——その繰り返しでした。
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清池:大事にしたのは、「押しつけずに、ユーザーが選べる状態をつくる」ことです。だから、問い合わせへの返信文面の中に案内を添える形でやってみよう、と決めました。
ただ、カスタマーサポートの役割は、基本的に問い合わせに丁寧に応えることです。今回のように、案内の出し方まで踏み込む取り組みは、周りでもまだ例が多くありませんでした。なので最初は「ここまでやっていいのかな」と迷いました。
 加えて、実行可能性も重視しました。新しい施策を一から作るのではなく、事業側がすでに実施していたキャンペーンの案内を、問い合わせ返信の文面に組み込む形にしました。案内が「押しつけ」にならないように、順番や言い回しも整えています。実際のやり取りを見ながら、少しずつ調整していきました。 

奥野:新しい事業として「LINEスグミエール」を提供開始するまでには、決めること・確認することが本当に多くありました。判断材料がそろっていない場面も多く、「どこまで確認するか」「どんな順番で進めるか」が曖昧になりやすい。だからまず、確認すべき項目と進める順番を作らないと動けません。
そこで、必要な確認項目(手続き・体制・運用など)を洗い出して関係部署の方に相談しながら、「この順で進めれば提供開始までたどり着ける」という道筋を一つずつ形にしました。たとえば、どこで何を確認し、誰にどう説明するか。順番を決めて進めたことで、迷いが減っていきました。
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岩井:AIは多くの業務を効率化できる一方で、全てのご要望にそのまま応えられるわけではありません。時には実現が難しいご要望をいただくこともあります。そんなときに大切にしてきたのは、「できない」と線を引くのではなく、その背景にある本当の課題に向き合うことです。個別のご要望にも向き合いながら、業務設計や目的に立ち返って整理し、最適な形をご提案してきました。その積み重ねが、結果としてプロダクトの改善にもつながっています。

難しい課題の中でも、重要な点を見極めて決め切り、前に進めた。4人の話を追うと、その背景には、対話の中で論点を整理し、目的に立ち返って判断する——そんな「決め方」がありました。

 Next|次の挑戦が動き出す「型」を残す 

——今回の取り組みで、次の取り組みでも使える形で「残せたもの」は何ですか?

 奥野:一番大きいのは、「提供開始までに何を決め、何を確認し、誰にどう説明するか」という進め方の型が残ったことです。初めての取り組みだと、つい手探りになりがちですが、今回の経験で「この順番で整理すれば前に進められる」という道筋をつくれました。
だからこそ、今後別の取り組みでも、判断に迷ったときに立ち戻れる「進め方」として活かせると思っています。

 清池:私の中では「事業インパクトの観点で情報を見る」視点が残りました。新しい案内や情報が出たときに、「これを使って、利用継続を後押しできないか」と考えるようになったんです。
この視点はカスタマーサポートに限らず、他の文脈でも応用できると思っています。
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岩井:B2Bでは、一度導入いただいた実績が次の提案の後押します。すでに他案件で実現してきたという事実は、何よりの説得材料です。実績を整理し、再現可能な形で提示することで、次の改善提案へとつなげていきます。

高松:プロダクトはリリースしたら終わりではなく改善が続きます。だから、多拠点・多職種でも前に進める協働の型を、チームとして積み上げられたのはNextだと思います。
「ワンチームで磨き続ける」こと自体が、次の改善のスピードにもつながっていくはずです。
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成果を「その場の成功」で終わらせず、次の取り組みが動き出す資産として残していた点が印象的でした。進め方、視点、実績、協働の型——残し方にも、それぞれの工夫がありました。

IONは、自分の仕事を見直すための道具

領域は違っても、前に進むときの手つきには似たところがありました。どの事例も、体験の焦点を定め、迷いの中で決めるべき点を決め、次につながる形で残していきました。

IONは表彰イベントの評価基準にとどまらず、自分の仕事を分解して見直すための「見取り図」にもなります。

●    何を価値として言語化するか
●    何を決断するか
●    何を残すか

この4事例が、ふと立ち止まって自分の仕事を見直すきっかけになればうれしいです。

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