LINE Fukuoka、AIを活用した業務量予測システムを開発。1つのシステムで、製品需要、求人応募数など広範囲な予測が可能に
【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。2023年9月30日以前の記事には旧社名で記載しています。
LINE Fukuokaは、AI・IoT・RPA等を活用し社内DXを推進しています。
この取り組みの一環で、AIを活用した業務量予測(*)システムを開発。β版で試験運用したところ、予測作業時間の83%減を確認し、2021年7月中を目標に、カスタマーケア部門に本格導入することになりましたのでお知らせします。
同システムは、製品の需要、求人応募数など内容を問わず予測が可能なため、今後、生産性向上を目的に様々な部署に展開されることが見込まれます。
(*)業務量予測・・・過去実績と最新トレンドを元にして、カスタマーケア業務等における今後の入信数などを予測すること。予測を元に、必要人員数や時間別の配置人数などの計画を策定する。
■AIを活用した業務量予測システムのポイント
・1つのシステムで様々な部署の予測が可能
人事は求人応募数、営業と販売は製品の注文数、カスタマーケアは入信数など、様々な業務シーンで予測作業は行われます。業務改善を図るソフトは業務ごとに細分化されたものが多いですが、これは1つのシステムで様々な業務の予測が可能。
・予測作業時間の削減
これまで手作業で計算・分析を行い、平均60分を要していた予測作業が、約10分に短縮(*)。
(*)予測対象によって、作業時間は変動します
・予測業務の属人化の解消
従来、高い分析スキルと経験が必要だった予測業務。このシステムによって分析経験のない社員でも高精度な予測が可能に。
・専門家の手を借りずに、AIの調整・学習が可能
AIによる予測精度を向上させるために、これまでデータサイエンティストなどの専門家が行っていた予測モデルの調整をシステムで自動化。AIの専門知識を持たない現場でAIの学習や予測モデルの調整が可能に。
■AIを活用した業務量予測システムの導入背景
一般的にカスマターケア業務は、業務量予測をもとに人員マネジメントを行います。
新サービスや新機能の追加、新機種販売時の機種変更、季節性などでお問い合わせ数が日々変動するため、対応品質を維持するには、高度な業務量予測スキルが求められます。
膨大な量の過去データをもとに手作業で算出する業務量予測は、多くの労力と時間を要します。業務量予測担当者の「経験と勘」に依存する面もあり、属人化も課題となっていました。
より高精度な業務量予測と、経験値に依らずに誰もが短時間で簡単に予測できる環境を目指し、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務効率化の推進を担う部門(*)がAIを活用した業務量予測システムの開発に着手。
2020年6月からβ版の試験運用を実施し、業務量予測の精度が向上。業務量を正しく算出できるようになったことで、オペレーターの平均対応時間が安定しました。
■そのほか、カスタマーケア部門のDX事例
LINE Fukuoka のカスタマーケア部⾨はLINE サービスの多くの運営を担っており、人員数や時間外労働に依存せずに高品質なサポートサービスを提供するため、DXを推進しています。
代表事例:工数管理システム
これまでエクセルを使って手作業で記録していた工数を、ボタンを押すだけで記録・集計できる「工数管理システム」を構築。記録された工数を、BIツールを用いてダッシュボード化し、リアルタイムでオペレーターの生産性を管理できるようしました。
「工数管理システム」の導入によって、毎月発生していた工数集計作業時間が30分から1分に短縮。
福岡だけでなく、LINEグループの他拠点にもグローバル展開されています。
今後もLINE Fukuokaは、DXの事例や効果を広く共有することで、社内のみならず日本社会全体のDX推進を目指してまいります。
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