LINEサービス運営組織の裏側見せます!課題に挑んだ軌跡を語る「業務改善Meetup」
こんにちは。Marketing Communication室の酒井です。
LINEサービスの運営組織における「業務改善」にスポットを当てたMeetupをLINE Fukuokaで初開催しました。募集開始直後より、予想を上回る反響をいただき会場は満席。
多くの方にLINE Fukuokaの「業務改善」や「運営」に関心をお寄せいただき嬉しい限りです。
LINEサービスの運営組織における「業務改善」にスポットを当てたMeetupをLINE Fukuokaで初開催しました。募集開始直後より、予想を上回る反響をいただき会場は満席。
多くの方にLINE Fukuokaの「業務改善」や「運営」に関心をお寄せいただき嬉しい限りです。
LINE Fukuokaにおける「運営」とは?
LINEを入り口に展開している、広告やコンテンツ(LINE GAME、LINE NEWS、LINE LIVEなど)、FinTech、コマース、AIなど、さまざまなサービス。
LINE Fukuokaでは、それらのサービスにおけるカスタマーケア、コンテンツ監視、審査、AIの教師データ生成などを担っており、それらを「運営」と総称します。
コミュニケーションアプリ「LINE」は、2011年6月のリリースから8年半の中で多数の機能や関連サービスが加わり、事業領域も大きく広がりました。
この急激なサービスの成長や変化を支えてきたのがLINE Fukuokaの「運営」です。
この急激なサービスの成長や変化を支えてきたのがLINE Fukuokaの「運営」です。
今回のMeetupでは、より良い「運営」へと改善することで成長を後押しする「業務改善」のメンバーが登壇。ひたむきに突き進み続けた結果、整備されないままになっていた課題と向き合った軌跡についてお話ししました。
実際の課題と解決施策、その中にある一人ひとりの業務との向き合い方をご覧ください。
4つの組織が運営業務の課題解決をサポート
まず、運営業務で抱えていた課題と解決に向けたサポートを行う組織を紹介。
スピーカー:Global Operation室 室長 加藤
▼LINE Fukuokaについて
・LINE Fukuokaは2013年の設立から6年で、社員数が1000名を超えた
・運営業務(カスタマーケア、コンテンツ監視、審査、AIの教師データ生成など)に社員の半数以上が携わっている
・LINEの国内のMAUは8,200万人以上 ※2019年9月時点
・年間20~30のサービスがリリースされるスピード感のある環境
・会社成長に伴い、複数の運営組織が生まれた
▼運営業務が抱えていた課題
・新しいサービスが生まれると同時に新しい運用ツールも展開されるため、サービスが増える=運用ツールが増える状態
・運営組織を横串で見て、サービスリリース時の運用構築や既存運用の再設計を行う必要があるが着手できていなかった
運営業務が抱える課題の改善は、Global Operation室をはじめとした複数の部署が連携して行っています。「基本的な分担はあるが、週次の定例ミーティングで案件の目的や課題感、優先度を確認して、適切な部署が対応する。」という前置きをした上で、基本的な役割も紹介されました。
運営改革をサポートする4つの組織
Global Operation室
全社から寄せられる業務改善相談の一次窓口を運用。その後の運営ツールディレクションやRPA作成も。
※データ分析、データ応用システムの開発・構築はLINEの Data Labsと協働。
LINE Growth Technology
サービス運営改善や新規サービス運営ツール開発など、開発支援を行う。
IT支援室
コーポレート部門など、サービス運営組織以外の課題対応や業務効率化を担当。
続くセッションでは、実際の業務改善に向けた事例やその中で大切にしたことを発表。
既存の運用再設計と最適化
スピーカー:Global Operation室 沼井
Platform、AI、Optimization(最適化)、RPA(Robotic Process Automation)の項目ごとに、具体例を用いて紹介。
Platform、AI、Optimization(最適化)、RPA(Robotic Process Automation)の項目ごとに、具体例を用いて紹介。
「運営業務が抱えていた課題にもあったとおり、サービスが増える=運用ツールが増える状態であったため、LINEサービスにおける運用ツールは数百種類存在しています。『モニタリング(監視)』を行う場合もサービスによってツールが異なるため、5つのサービスをモニタリングするには、設計も操作感も異なる5つのツールで対応しなくてはいけない状況でした。」
そこで、沼井さんはこの状況を改善するために、数百種類ある運用ツールを1つのプラットフォームに集約。
「プラットフォームにまとまったことで、サービスが出るたびに新しい運用ツールを開発する必要はなくなり、これまで3~6ヶ月かかっていたツールの設計、計画、API開発が、1ヶ月ほどで運用体制を整えられるようになりました。」
「プラットフォームにまとまったことで、サービスが出るたびに新しい運用ツールを開発する必要はなくなり、これまで3~6ヶ月かかっていたツールの設計、計画、API開発が、1ヶ月ほどで運用体制を整えられるようになりました。」
現在も、社内の運用ツールのプラットフォーム展開に向けてサポートが進んでいるとのこと。
オープンなコミュニケーションを大切にした社内ツール改善
スピーカー:LINE Growth Technology 福岡開発室 金原
金原さんからは、LINE Creators Market運営を支える社内ツールの改善における課題の洗い出しから実装までの流れやPMとしての動きが伝えられました。
世界中のLINEユーザーが LINEスタンプを制作・販売することができるLINE Creators Market。クリエイターが作成したスタンプは販売前に、販売基準を満たしているかどうかの審査が行われており、金原さんは、その審査を裏側で支える審査ツールの改善を担当。
「実はこのツール2017年以降の改修が行われていなかったんです。なので、まずは課題の洗い出しから着手しました。『ツールのポップアップに社員番号だけが表示されるものを社員名にしたい』など、小さなものから改修に2ヶ月ほどかかる大きなものまでが並ぶ中で、着手しやすい課題からスモールスタートしました。」
金原さんが大切にしていたのは、 LINE STYLEのキーワードのひとつ“Open Communication, Vertical Decision-making(オープンな議論と、リーダーによる決断)”
「PMとしてユーザーとエンジニアの間に立つ時に、ユーザー(社員)には改善の議論に入ってもらうことと、エンジニアにはすべての情報をオープンにすることを心がけました。そして、決まった方向性は、だれにとっても明確になるようにしました。」
その言葉どおり、開発したツールが動く段階になったらすぐに、デモとフィードバックを受ける機会を設けたそう。それは、実際にツールを使用する担当者にとって、より使いやすいツールにするため。
「エンジニアからのソースレビューやQAの前に、1時間ほど時間をもらいデモとフィードバックを実施しました。それが、『全員で』より良いものを作る機会になったと考えています。」と笑顔で振り返りました。
手作業を自動化。Excel管理から新規システム導入へ
スピーカー:LINE Growth Technology 福岡開発室 平井
平井さんが改善に取り組んだのはLINE NEWSの運用ツール。
「スマートフォンニュースサービス LINE NEWS では、複数メディアより提供いただいた記事をダイジェストにしてLINEで配信しています。ダイジェストの編集や内容チェックが運営業務です。改善前の課題は、『Excelによる運営管理』と『複数のツールを使用』でした。」
管理するべき情報量が増えるに従い、Excel上では見にくくなり、サービス成長に伴うメディア数の増加もExcelでの管理を難しくさせていました。
加えて、LINE NEWSサービスの運用においても複数のツールを切り替えながらの作業が必要とされていたため、一分一秒を意識する業務において、その煩雑さは作業者の大きな負担に。
改善に向けて平井さんは、新規のシステム開発と手作業の一部自動化を実施。システム上にツール導入が可能になり現場責任者と作業者の負担は軽減しました。 「モックのように、動作確認ができるものをなるべく早い段階で触ってもらい、フィードバックも早い段階でもらえるようにしました。実際にその際、作業者にしか分からないフィードバックを受けることができたのは、とても良かった。」と、意識したポイントとしてユーザーからのフィードバックをあげます。また、平井さんは改善において、現状のままのフローが適切という考え方はしなかったそう。
「はじめに、運用フロー自体の見直しから行いました。そこから自動化できる部分を洗い出して自動化。自動化の際、最優先に考えたのは『ユーザーの使いやすさ』。『あったら便利な機能』は省きシンプルにしました。システムの不具合が発生した場合も、LINE Growth Technologyの担当者が修正対応をします。」
運用ツール細部へのこだわりが、より良い運営業務へとつながっているのを知ると同時に、ツール開発者が近くにいることの心強さを感じました。
熱き社内ITコンサルタントによるプラスα
最後は、趣向を変えて改善に携わる「ひと」にフォーカスしたトークディスカッション。
業務改善チームにて社内ITコンサルタントとして活躍する3名がパネラーとして登壇し、用意されたトークテーマから、参加者のリクエストに応える形で、リアルな経験を語りました。
業務改善チームにて社内ITコンサルタントとして活躍する3名がパネラーとして登壇し、用意されたトークテーマから、参加者のリクエストに応える形で、リアルな経験を語りました。
パネラー(写真左より):IT支援室 塩川、原、徳永
ファシリテーター: IT支援室室長 海田
「どんな改善であっても、スムーズにいかないことはあると思います。私自身、新規ツール導入直前の使用者向け説明会で『使えない』の声があがり、要件を一から見直すことになった経験も。
このときは、依頼者とのコミュニケーション中心になり、実際に使用する社員と話ができていなかったことが原因。開発途中の段階で動きを伝えておけばよかった。」(テーマ「思いがけず、ぶつかった壁」)
「要望を叶え、そのまま実現させるだけではなく、なにかしらプラスαを形にして、『この人に頼んでよかった』と思ってもらいたいなと考えています。」(テーマ「自分の成長で取り組んでいることは?」)
「担当しているシステムは、運営業務を担当する社員はもちろん、LINEサービスの開発をしているエンジニアやデザイナー、テスターも使う。目に触れる社員自身のレベルも、社員が求めるレベルも高い。『激流に揉まれている』感覚です。激流に身を置けば必然的に自分自身のレベルも上がります。だからこそ、 特別なことをするのではなく、あえて『いつもどおり』を意識するようにしています。 」(テーマ「普段意識していること」より)
ひとつのテーマで話はじめながら複数のテーマを網羅してしまうなど、一人ひとりの個性と想いが溢れた熱いステージでした。
Meetupでお伝えした「業務改善」の軌跡から、ここでチャレンジすることの面白さを感じていただけましたら幸いです。
セッション詳細はこちらに掲載がございます。併せてご覧ください。
LINE Fukuoka、LINE Growth Technology 福岡開発室では、Meetup登壇のメンバーとともに運営業務の改善を推進いただける方を募集しています。
業務システム開発PM
業務改革推進(BPR)
社内ITコンサルタント
LINE Growth Technology株式会社 福岡開発室
業務システム開発PM
業務改革推進(BPR)
社内ITコンサルタント
LINE Growth Technology株式会社 福岡開発室
その他の募集職種は、一覧よりご確認いただけます。
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▼Enterprise ITセンター 副センター長/IT支援室室長の海田のTwitterは こちら
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