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「ユーザーに最も近い組織」だからこそ、できることを―LINE Fukuoka「サービス運営」の7年とこれから【後編】

「ユーザーに最も近い組織」だからこそ、できることを―LINE Fukuoka「サービス運営」の7年とこれから【後編】 サムネイル画像
【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。9月30日以前の記事は、旧社名の情報を元に作成しています。
 
11月18日、設立7周年を迎えるLINE Fukuoka。組織規模、備える機能ともに、7年間で急速に拡大してきました。
現在のLINE Fukuokaが持つ機能を改めて紹介するとともに、7年間でどんな変化があったのか、今後どんなチャレンジをしていくのか、組織を率いるリーダーたちに聞く7周年企画。第2回は、 「サービス運営」部門・後編です。

前編では、カスタマーケア組織と、そこから派生したローカライズ組織、金融系サービスを担当する組織にフォーカスしてきました。後編は、 「モニタリング」「戦略事業運営」「営業・審査」組織、そしてLINE Fukuokaの業務効率化・価値可視化を担う横断組織が登場します。

話を聞いたのは…

FIX_サービス運営後編登場人物
  

CONTENTS
 
 
 
 
 


   先進技術と経験知を武器に、グローバルトップレベルのモニタリング組織へ

―前編で登場したカスタマーケア同様、設立当初から存在するのが、サービス提供に付随する様々なオペレーションを担う組織です。その中から独立し、LINE Fukuokaの中でも大規模な組織となったのが、LINEサービスのモニタリングを担うContent Moderation室です。

松山:タイムラインなどオープンな場所にユーザーが投稿できるサービスが始まると同時に、悪質な投稿を検知し取り除くモニタリングの業務を開始しました。
サービスの信用・安全性を担保する非常に重要な業務ですので、「迅速な対応」「安定稼働」ができる体制づくりが最初の課題でした。

業務が始まった当時は人海戦術でなんとか対応していましたが、サービスの拡大に伴い、とても人力で対応できる量ではなくなった。効率化・自動化が進んだのは必然でしたね。


―2015年には業務改善・効率化に取り組むチームが誕生。サービスごとに異なっていたモニタリングツールの統合、悪質な利用者への対応策セットアップなど、効率化・高度化に取り組まれてきました。
今ではLINE Fukuokaの中でも、AI等の技術が最も活用されている部門のひとつです。
2019年、社内表彰制度LFK Value Awardで最高賞を受賞したフィルタリング最適化のプロジェクトは、AIや自動化の仕組みと過去の経験知、統計学等を組み合わせた、モニタリングの未来を感じさせるものでした。

松山:既存メンバーの中で技術活用に長けた方を中心にチームをつくり、その後、採用においてもそうした人材を増やしていきました。システムに明るいメンバーと、これまで現場で知見を培ってきたメンバーが、一緒に良い仕組みをつくってくれています。こうした仕組みは、グローバルのLINE拠点でも活用されています。
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2019年度の社内表彰「LFK Value Award」で最高賞を受賞したフィルタリング最適化プロジェクト。海外拠点への展開も進んでいる
 
―2016年にはSNS等にあるユーザーの声をまとめ、事業側に提案を行う「User Voice Report」も開始。「悪質なものを取り除く」ことに留まらず、ユーザーを理解し、サービスに還元することにも取り組まれていますね。

松山:モニタリングを通して、カスタマーケアに届いていないユーザーの要望に出会うことが多々あります。サービスの改善につながる声も多い。

LINE Fukuokaはユーザーに最も近い組織。きちんと声を聞きサービスにつなげるのは重要なミッションだと考えています。このように 部門ごとに持っているユーザーの声を集約し活用する部署の設立も、実は今まさに検討しているところです。

Content Moderation室は、監視分野では既に日本一の実績を持った組織だと考えています。
他社にとってのベンチマーク先となるよう、今後も技術やノウハウを磨いていきたいですね。


AI、ヘルスケア、検索等、「戦略事業」特化型組織の誕生

―Content Moderation室と同じ組織から、LINEの戦略事業を中心に、サービス提供に付随する様々な業務を担う部署として独立分離したのがStrategic Operation室です。

野中:元々は、現在のメディア運営室やContent Moderation室で担っている業務も含め、サービス運営に必要な業務全般を担う組織でした。サービスの拡大に伴い、2019年には3つの組織に分け、そ れぞれの専門性をより磨いて行ける体制に変えています。


―現在Strategic Operation室では、AI、ヘルスケア、検索、フードデリバリーなどLINEの戦略事業を中心に担っていますね。社員の育成はもちろん、外部パートナーとの連携についても強化してきた印象です。

野中:戦略事業中心ということもあり、 サービス変化のスピードが非常に速い。新しい種類の業務が毎週発生したり、昨日と今日でやり方が変わることも多いです。
状況に合わせて都度柔軟に組織体制を変えられるよう、外部パートナーとの連携も重要です。


―今後はどんな進化を目指しますか?

野中:これまでは主に「業務設計」の力を磨いてきており、領域ごとの専門知識や理解においてはまだまだ課題があります。今後は AI、ヘルスケア、検索など各領域の専門性を高めることで、LINE戦略事業の成功に寄与していきたいと考えています。
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2019年度の社内表彰「LFK Value Award」、準社員部門の最高賞を受賞したのはStrategic Operation室のプロジェクト。戦略事業への特化で、さらなる進化を目指す


   売上166倍になった「営業」と、待ち時間1/10を達成した「審査」

―営業と審査を担うReview&Sales室のはじまりは2013年、LINE@のセールス組織をたった2人で立ち上げたこと。現室長・冨髙さんの「手挙げ」から生まれたとお聞きしましたが…?

冨髙:前提として、 LINE Fukuokaという企業に様々なバックグラウンドを持った方が入社してくれていること、入社したメンバーが仕事を選べる状態が理想だという想いがあります。だから、LINE Fukuokaで担う仕事の幅を広げるチャンスがあればチャレンジしたい。当時LINE@(現在はLINE公式アカウントに統合)に成長の兆しがあったので、ぜひ福岡に加盟店獲得営業を任せてほしい、と話をしました。

その後、 「1COIN WALK福岡」などの販促企画も手掛けるようになり、一定の実績を出したことで、他サービスの企画・営業に業務範囲が広がっていきました。同時に、加盟店獲得に付随する審査や本人確認などの業務も福岡で担うようになりました。

仕事を獲得する、成果を出す、成果を基に次の仕事を獲得する。その繰り返しで成長していった形ですね。
1COIN WALK
2014年に実施した、LINE@のユーザー&加盟店増加を目指したキャンペーン 1COIN WALK福岡 。福岡の人気飲食店のメニューが500円で食べられるとあって、話題を呼んだ

―2017年にはLINEのコア事業であるLINE広告のインサイドセールス組織を立ち上げました。当初3名から始まった組織は現在約15名、対象エリアは西日本から全国へと拡大し、売り上げ規模は当時の166倍にもなっています。2020年には、LINEの戦略事業である出前館のインサイドセールスも開始しました。

冨髙:サービス自体の成長がもちろん大きいですが、データ分析に長けたメンバーや、広告への愛があるメンバー、売上にしっかりコミットできる意思を持ったメンバーが集まってくれたことが成長要因だと感じます。
組織規模拡大に伴って、 「チームで売上をつくる」ということも戦略立ててできるようになってきました。


―審査業務も、かなり効率化が進んでいると伺いました。

冨髙:立ち上げ当初と比較すると 審査対象は約2倍に増えていますが、審査でお待たせする時間は10分の1ほどに短縮できています。単純に人数を増やすということではなく、ツールの改修や、業務フローの改善を繰り返した結果ですね。


―2018年には、室内の横串組織も誕生しましたね。

冨髙:業務上の指標設定や運用、メンバー育成の仕組みづくりなど、マネジメントをアシストするチームです。室として「緊急度は低いが重要度の高い案件」を担ってもらっています。
本来マネージャーに担ってもらいたい仕事ですが、今はどうしても「緊急度が高い」現場のことを中心に考えざるを得ない環境にある。そこを改善していって、最終的にはこのチームが無くても良い状態が理想だと思っています。
直近、新たに人材育成を担うチームも立ち上げました。 どこにいっても活躍できる人材を育てられる組織をつくり、社内外から「真似される」存在になれたら、と思っています。
R&S_WS風景
チームでのワークショップの様子。組織拡大に伴い、チームビルディングについても試行錯誤してきた


   「LINE Fukuokaの価値最大化」のために生まれた横断組織

―年々規模が拡大し、担う業務の幅も広がっていったLINE Fukuoka。その過程で顕在化した組織課題解決のために生まれたのが、価値の可視化を担うValue Management室とツール開発・改修を担うGlobal Operation室からなるバリューマネジメントセンターです。

加藤:元々私も運営の現場にいて、ツール活用やフロー整備をおこなうことで業務効率化や品質改善ができる、ということを頭ではわかっていました。でも、取り組む時間が圧倒的に足りなかった。
そこで当時の上長に相談し、業務改善に特化した専門組織を立ち上げることにしたんです。

松山:LINEは日々新たなサービスが生まれ、業務内容も刻々とアップデートしていく。
現場を回しながら、先を見据えた体制整備に取り組むのは至難の業です。
きちんと現場運用をおこなう組織と、客観的に体制整備に取り組む組織が必要でした。

加藤:各部署から業務に精通したメンバーを集め、課題をヒアリングすると同時に、課題改善に必要なスキルを持ったメンバーの新規採用もおこないました。
2人で始めた組織ですが、現在は約40名の規模になっています。体制が整って、2019年以降本格的な業務改善に取り組めるようになりました。

古後:会社が成長したからこそ必要になった組織ですよね 。機能が増え、規模が拡大したことで、良い取り組みの横展開など会社全体でもう一段成長できる余地が生まれた。

「LINE Fukuokaの価値を最大化する」ことを目的とした組織なので、経営企画、業務設計、ITを活用したツール設計・運用などジャンルを横断して担っていますが、こうした組織の形はあまり一般的ではないと思いますね。他社の方とお話すると、驚かれることが多いです。
組織そのものがLINE Fukuokaの特徴のひとつ、と言えるのではないでしょうか。
AI Workshop
2019年にGlobal Operation室が主催したOperation & AI Workshopでの一コマ。東京、台湾、インドネシア、韓国などLINEグループの各拠点から同テーマに取り組むメンバーが集まった


―設立後、各部署と連携しながら多く取り組みを推進されていますが、中でも部署・サービスごとに分かれていた100以上のツールを1つのプラットフォームに集約したプロジェクト※が印象的です。

古後:LINEが急成長する中で、運用設計やツールが整う前に次々と新しいサービスが生まれていったことが背景にあります。
同じような業務に取り組んでいるのに、サービスごとに設計も操作感も異なるツールが利用されている状況があった。

加藤:ツールが統一されれば、良い取り組みの横展開もしやすいですし、開発や研修にかかる工数も大幅に減らすことができます。

古後:今後新しくサービスがリリースされる際も、同一のプラットフォーム上でサービス運用できるようになる。運用体制整備の時間を短縮でき、リリースも早められますし、立ち上がりもスムーズになりますよね。


―福岡で整備したツールの、グローバル拠点への展開も進んでいます。

加藤:LINEは国内外に複数の拠点がありますが、台湾やタイ、インドネシアなどは福岡と同様の業務に取り組んでいます。設立当初から海外への横展開を見据えて“Global”  Operation室、という組織名を掲げましたが、やるからには福岡だけでなく、LINEグループ全体の業務効率改善につなげたいと考えています。


―2019年以降、LINE Fukuokaの「価値の見える化」にも取り組んできました。

古後:組織の中に眠っている力や強み、価値をオープンにして最大化する、という視点でMBO-S(目標管理制度)の導入や、KPIマネジメント推進、業務改革・改善など様々な取り組みをおこなっています。
LINE Fukuokaに所属する人たちは、 「LINE Fukuokaの価値って何だ?」と日々問いながら仕事をしている。それを数字でも語れるようにするために、サポートをおこなっています。
GO業務風景


―2020年に開始した「One Teamプロジェクト」についても教えてください。

古後:LINE Fukuokaの仕事は多くのパートナー企業に支えられています。複数のパートナー企業と仕事をする中で、それぞれに秀でた点がある。 良い取り組みや改善施策を企業の垣根を超えてシェアし、よりワンチームで価値を生み出していけるようにしよう、というプロジェクトです。このプロジェクトは運営部門を横断して組織全体で取り組んでいるところです。


―今後バリューマネジメントセンターは、どんな風に進化していきますか?

古後:この2年で「価値の見える化」がだいぶ進みました。今後はさらなる価値の最大化に取り組んでいきたいですね。LINE Fukuokaにおいて、付加価値の高い仕事を増やしていきたい。
“付加価値が高い”仕事の定義も様々ですが、たとえば「運営デザイン」と呼ばれる領域など、 設立7年が経ち、経験を重ねてきた今のLINE Fukuokaだからこそできることはある。
そこにより力を注げるようにしていきたいですね。

加藤:価値の見える化、データの可視化が進んできたので、今後はそれを活用して、売上やアクティブユーザー数など、 事業目標により直接的に貢献できる仕組みづくりをしたいですね。できる、という自信もあります。
GO登壇風景
2019年には、LINEサービス運営における業務改善をテーマにしたMeetupを開催。ナレッジを社外へ伝える機会も増えた


   「ユーザーに最も近い組織」として、サービスを成長させる

―最後に、センター長の3人にお聞きします。
LINE Fukuokaのサービス運営部門は、今後どんな風に進化していきますか?
サービス運営部門から、LINE Fukuokaをどんな風に進化させていきたいですか?

松山:ユーザーと直接接点を持っているLINE Fukuokaにしかできないことはたくさんあると思っています。
今までの積み上げを活かしながら、今後は ユーザーとより深化した関係性を構築することでサービスの成長に寄与できる組織に進化させていきたいですね。

野中:ユーザーニーズが変わり続ける市場でもあるので、進化の形に正解はなく、難しい時代だと感じています。
ただその時々で、 最もユーザーのためになるサービスを提供する、運営からサービスを変えていくことができるのがLINE Fukuokaだと思います。
そこにチャレンジし続けることで、進化を続けていきたいと思います。

古後:LINE Fukuokaは、変化に強い会社だと思います。運営部門の業務特性上、安定を求められる一方で、LINE Fukuokaの運営部門はこれまで多くの変化に柔軟に対応してきた。
アイディアを出すことに長けた方も多いので、外部環境の変化に対応するだけでなく、 内部からもっと変化を起こしていけるはず。今まで以上に、面白い会社にしていきたいですね。

サービス運営_取材風景

編集後記/LINE Fukuoka Press編集部
サービス運営の仕事は表からなかなか見えづらく、またその性質上、対外的に全てをお伝えすることが難しくもありますが、ユーザーの皆様に「LINEのサービス使って良かった」「また使いたい」と思って頂けるよう、日々チャレンジを続けています。

今回、複数のリーダーから出た言葉として「7年の間に、社内外からLINE Fukuokaを支えてきてくれた方々、価値を積み上げてきてくれた方々への感謝」がありました。
今LINE Fukuokaに所属する社員だけではなく、過去尽力してくれた仲間たち。社内だけではなく、社外から支えてくれたパートナー企業の方々。数えきれないほど多くの方のチャレンジと、サービスを利用頂き、声を届けてくださったユーザーの皆様の力が積み重なって、今のLINE Fukuokaがあります。改めて、感謝申し上げます。

7周年企画、次回はデザイン、メディア運営、ゲームに関わる「クリエイティブビジネス」編をお届けします。こちらもどうぞ、お楽しみに!

▼本記事に登場した組織の採用情報
<運営サポート/LINEサービス>
<審査/LINEサービス/リーダー候補>
<広告運用コンサルタント/LINE広告>
<インサイドセールス/リーダー候補>


▼7周年記念企画 LINE Fukuokaの7年とこれからを語ろう【全7回】
1)11月10日公開

2)11月11日公開
「ユーザーに最も近い組織」だからこそ、できることを―LINE Fukuoka「サービス運営」の7年とこれから【後編】(本記事)

3)11月12日公開

4)11月13日公開

5)11月16日公開

6)11月17日公開

7)11月18日公開

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