変化をチャンスに。挑戦を支援し続ける―LINE Fukuoka「強い組織づくり」の7年とこれから
【お知らせ】2023年10月1日にLINE Fukuoka株式会社からLINEヤフーコミュニケーションズ株式会社へ社名を変更しました。9月30日以前の記事は、旧社名の情報を元に作成しています。
11月18日、設立7周年を迎えるLINE Fukuoka。組織規模、備える機能ともに、7年間で急速に拡大してきました。
7周年を期に、LINE Fukuokaが持つ機能について改めて紹介するとともに、7年間でどんな成長があったのか、今後どんなチャレンジをしていくのか、組織を率いるリーダーたちが語る7周年企画。
第5回は、 「強い組織づくり」をテーマに、コーポレート部門の進化と今後について聞きました。
話を聞いたのは…
CONTENTS
シェアードから「法人・LINE Fukuoka」を支える独自組織へ
180名→1000名超 。職種・レイヤー・国籍…人材の多様化と採用の変化
“WOW”を生み出せる組織文化の醸成
「チャレンジに集中できる」環境づくり
環境変化をチャンスに変え、強い組織をつくり続ける
シェアードから「法人・LINE Fukuoka」を支える独自組織へ
―LINE Fukuokaのコーポレート組織は、当初他社とのシェアードだったと伺いました。
和田:そうですね。規模拡大に伴って、各機能を自社に持っておく必要が出てきました。
―最初にできたのは経理部門ですね。現在の経営支援のはじまりです。
和田:はい。その後、事業の成長に応じて、LINE Fukuoka、そしてLINEグループ全体を支援する組織に変化していきました。現在の経営支援室は、事業計画策定のための精緻な予実管理など経営に関わる支援全般、 LINE Fukuoka並びにグループの経理業務、通訳・翻訳・法務研修など事業に関わる様々な支援をおこなっています。
経理部門ができた後、採用・総務・広報など、いち法人として企業経営に必要な機能が整って行きました。
180名→1000名超 。職種・レイヤー・国籍…人材の多様化と採用の変化
―設立当初の180人規模から1000人超の組織になるまで、採用活動にも様々な変化があったかと思います。
和田:立ち上げ当初は一度に多数の採用を行う必要があり、大規模な説明会も複数回おこないましたね。
LINE Fukuokaで担う業務の幅が広がり、 組織規模が拡大する中で、採用の対象となる職種・レイヤーも多様化していきました。
品川:私は2019年の入社ですが、過去からの採用チームの進化観点で言うと、タイムリーに多くの方を採用するだけでなく、 特定の専門スキルを持った方や管理職候補にピンポイントでアプローチする採用活動も平行して行うようになった点は大きな変化だと思います。
職種やレイヤーによって転職活動における情報源や行動は異なりますので、理解を深めるために「エンジニア」「管理部門」など領域別のリクルーター制も取り入れるようになったと聞いています。
現在のLINE Fukuokaには未経験からチャレンジできるポジションも、高度な専門技術や経験が必要なポジションも、幅広くある。 多様な人材を採用することを通じ、知見やスキルを磨いてきたことは、組織として強みになってきていると感じます。
2014年に実施した採用説明会の様子
―2015年以降、特にエンジニアについて、海外からの採用にも力を入れてきました。
―2015年以降、特にエンジニアについて、海外からの採用にも力を入れてきました。
和田:発端としては、「外国籍の社員を採用したい」ではなく、あくまで「優秀な方を採用したい」。その中で、国内だけではなく、自然と海外に目を向けるようになった、という流れです。
品川:一定規模の母集団を形成することを考えた際、福岡という立地がネックになることもある。一方で 台湾、韓国、タイなど特にアジア各国への近さは福岡の強みです。当時の採用組織・開発組織のリーダーが強い意思を持って進めていった、と聞いています。
―現在ではアジアのみならず、アメリカやヨーロッパなど世界24ヶ国から社員が集まっています。海外から多くの社員を迎えるにあたり、体制も強化してきましたね。
品川:日本で暮らしていくための様々な手続きや定着支援を行う専門チームがあります。
LINE Fukuokaで一定整えることができた海外採用のスキームは、東京のLINE株式会社はじめグループ社内にも共有をしています。
海外からの入社者のビザ取得や住まい探しなど、様々な面からサポートをおこなう海外支援チーム。気軽に相談できる関係性をつくることも大切にしている
―2019年以降、リファラル採用(社員による紹介)も強化しています。
品川:そうですね。以前からリファラル採用には取り組んでいましたが、2019年以降、グループ全社的に強化しています。カルチャーフィットした優秀な社員のまわりにこそ、私たちが必要とする人材がいるはずだという考えからです。
その中で採用チームとしては、社員の皆さんがリファラルに取り組みやすいよう、必要な情報・機会提供をおこなってきました。たとえば社内メルマガでの情報発信やチャットボットを活用した相談窓口の設置、インセンティブ設計などですね。
また、これまでの採用活動はエージェント等、多くのパートナー企業の力を借りてきましたが、自分たちでマーケットを開拓していくことにも注力するようになりました。
―2019年には、現場社員から仕事の魅力をお伝えする全社採用イベント 「LINE Fukuoka採用の日」 を実施。200名以上の方にご参加いただきました。2020年はオンラインの採用イベントも多数実施しています。
品川:こうした活動は、もちろん採用チームがリードしていきますが、社員ひとりひとりの力も必要不可欠です。 「自分たちの仲間を自分たちで見つける」文化をつくり、そこに対するベストなサポートを採用チームで担えるようになりたいですね。
―直近は入社後活躍の取り組みも活発です。2020年には入社オリエンテーションのリニューアルを実施。募集中のポジションを開示し社内から希望者を募る、人材公募制度も開始しましたね。
品川:これまで、「内定を出すまで」が採用の仕事で、入社後の立ち上がりは各部署に完全に任せていました。採用としてスムーズな立ち上がりをサポートすべく、オリエンの見直しを行っています。
会社の歴史や考え方、働く上で必要になる制度・システムなどの基本情報をきちんと渡し、LINE Fukuokaで働く上でのマインドセットをおこなっています。
人材公募はLINE Fukuokaが大切にする”Enjoy the Challenges”をサポートしようとCOOの鈴木さんが強い思いをもって2020年に導入した制度ですが、私自身も入社後に早急に取り組みたいと思っていたことのひとつですし、実は採用チーム以外からも「ほしい制度」として何度も声が上がっていました。海田さんもその一人ですね。
海田:採用と同時に、今いる社員のキャリア形成に役立つ仕組みが必要だと感じていました。 自分自身で新しいポジションを見つけるチャンスをつくり、長く活躍してもらえる状態をつくるのも大切なことですよね。
入社オリエンテーションの様子
“WOW”を生み出せる組織文化の醸成
―180人から1000人超に規模が拡大する中で、組織として課題も様々発生したのではないかと思います。
海田:様々なマインドやバックグラウンドを持ったメンバーが入社し、同じ方向を向く難しさは徐々に出てきましたね。
松尾:皆、入社時は自分の経験を活かしたい、チャレンジしたいという思いや志を持っています。ですが、日々の業務に向き合う中で、そうした思いを継続させることは簡単ではない。これはきっとどんな会社においても同じだと思います。
一方でLINEというサービスの社会的な影響度は年々高まっていった。 社会からの期待や、 LINEの現在地と向かっている未来について共有し、思いを新たにしてもらう場が必要だと考え、2015年に 全社集会を開始しました。当初は年に2回、現在は年に1回のペースで続けています。
当初から直近2020年の開催まで、LINEグループのトップである出澤さんから福岡の社員へ直接話してもらう、という点にこだわって続けています。
2020年に実施された全社集会の様子
―2018年からは、管理監督者を対象とした「全社リーダー会」も毎月開催しています。
松尾:組織数が増え、業務の幅が広がると、現場のリーダーたちに経営意識を持って組織を率いてもらうことがより重要になってきます。グループ全体の経営状況や人事関連の情報をいち早くリーダーたちに伝える場として始めました。
一定、場が整った段階で、情報を一方的に伝えるのではなく、リーダー陣が自組織の取り組みについて発表するコーナーも設けるようになりました。 各組織がつくっている 価値を共有し、横のつながりをつくるきっかけになればと考えています。
全社リーダー会の様子。現在はオンラインで実施
―社内コミュニケーションの観点では、2015年に社内報を開始しました。
松尾:元々サービス運営部門にいた社員が、自身が感じた組織課題を基に提案してくれたことです。会社が急成長を遂げる中で、隣の人が何をやっているかわからない、どんな人かわからない、ということが増えた。
業務上支障が無いと思うかもしれませんが、規模が大きくなるほど、社内では同じ悩みを持ち、改善に取り組む人が出てきます。 他の組織や人を知ることで、ナレッジが共有され、全体最適が進んでいく。隣の部署で日々何が起きているか、カジュアルにシェアできる場として開始しました。
社内でシェアしてきた内容が、社員の家族や友人、求職者の皆さんにも伝えた方が良い内容ばかりだったことから、2019年以降、公式ブログの LINE Fukuoka Pressに統合しています。
―2016年には家族招待イベント「Family Day」も開始しましたね。
松尾:LINE Fukuokaはまだまだ若い会社ですし、変化の激しい業界に身を置いています。
社員を支えてくれている大切な人たちに、どんな環境で、どんな仲間と働いているのか知り、理解して頂くことが大切だと考えました。
同時に、LINE Fukuokaには多様な社員がいます。同僚のバックグラウンドを理解する意味でも大切な場になっています。
―コーポレート部門の社員だけでなく、各部署が企画を持ち寄り、全社からスタッフが集まって運営している点も特徴です。
松尾:やるからには、「LINE Fukuokaらしい」場、来場されたご家族にとって「WOW」な場にしたいですよね。
LINE Fukuokaには様々な機能があり、それぞれのプロがいる。クリエイティブ、開発、ゲームなどそれぞれの部門から企画を持ち寄ることで、参加者にLINE Fukuokaという会社のことをより理解してもらえる場になっているのではないかと思います。
2019年のFamily Dayにて
「チャレンジに集中できる」環境づくり
―経理と並び、設立後間もない段階から存在するのが現在のIT支援室へとつながる組織です。
海田:最初にできたのは社内システムや機器に関する問い合わせ対応などをおこなうITヘルプとインフラ管理です。その後、2017年にはITの側面から社内の業務改善を担当するメンバーが加わり、2018年には東京兼務で情報セキュリティを担当するメンバーも加入。現在の体制の基礎が確立しました。
―現在、LINE Fukuoka社内のシステムは設計・構築含めほぼ内製でおこなわれています。
海田: LINEはサービスの展開スピードが速いので、朝令暮改が当たり前。勢いを止めないために、内製化にはこだわって機能を拡張してきました。自分達でつくっているから仕組みも理解できるし、課題が発生した際もすぐに対応できます。
社員の増加で「会議室がいつも埋まっていて予約できない」という課題も発生。一方で「予約済みでも未使用の部屋がある」という状況も発生していたため、会議室が空いていたらその場で予約できるシステムを導入した
海田:LINE Fukuokaの社内ITにおいて求められるレベルは年々高くなっていると感じます。それはサービス品質の向上という話だけではなく、例えば金融系サービスなど取り扱う業務の幅が拡大している中で、各現場でもITやセキュリティに対する意識は高まっている。そこにきちんと寄り添える存在でありたいですね。
―ITヘルプデスクに続き、2019年には総務関連の問い合わせ窓口「LFK CARE」も開設されました。
海田: 「一歩踏み込んだ総務の形をつくりたい」という想いがありました。加えて、ITヘルプデスクに、総務が対応する質問とITで対応する質問が混ざって来ている状況があった。
社員にとってわかりやすく、利用しやすい問い合わせ窓口の在り方を考える中で、現在の形になりました。
―社員へのサポートで言うと、通訳・翻訳チームも活躍の場が広がっています。
和田:そうですね。全社で、会議通訳や業務上必要な翻訳が増えています。
現状、ワークフローを活用して業務量を可視化したり、依頼内容の傾向・ボリュームを見ることで効率化を進めています。
―オフィス環境についても様々な工夫がなされてきました。特に社内カフェやマッサージルームは社外の方から驚かれることも多いです。LINE Fukuokaには、こうした社内施設のスタッフや、オフィス環境を整備するクリーンキーパーとして働く社員もいます。それは当初から変わらないことですね。
海田:LINE Fukuokaでは自由度高くいろんなことに挑戦してもらえるよう、皆さん社員として携わってもらっています。業務に前向きに真摯に取り組んで頂いており、自分たちのできることを色々工夫してやってくれているのは、同じ会社の仲間として働いている意識の強さも影響していると考えています。今後も、 安心して働くことのできる場を提供し、社員生活の質向上につながるサポートを目指します。
マッサージルームで働くヘルスキーパー。健康に関する社内メルマガや動画配信などもおこなっている環境変化をチャンスに変え、強い組織をつくり続ける
―直近ではコロナ禍の影響もあり、コーポレート部門は今後特に変化が大きそうです。
各領域で、どんな進化を目指しますか?
品川:今は特に環境が激しく変化しており、今後も様々な課題が出てくるはずです。それを先読みして備える必要があります。
10月末の全社リーダー会で在宅下での人事労務想定課題、アクションについて発表しました。コミュニケーション・評価運用・長時間労働・メンタル管理などの問題は、在宅下でなくても起こりえますが、この環境下ではもっと注意深く見ていく必要があると思っています。
一方で、 コミュニケーションが限定される中、個々人が自発的に動くことが今まで以上に必要になる。それを支援する仕組みをつくっていきたい、と考えています。
また、会社の中での活躍を中長期で考えられる状態もつくりたい。ロールモデルを見つけられるようにするなど、 個々人がより前向きに、自律的に動けるサポー トをしていきたいですね。
海田:ITに関しては、現状の環境変化に対し既に多くの課題が見えています。LINE Fukuokaで働く皆さんにも、サービスを利用頂いている皆さんにも安心して頂ける環境整備が急務です。
また、昨今は「オフィス不要論」もありますが、個人的にオフィスは必要だと考えています。今後、場として必要なオフィス、出社したくなるオフィスをどう創っていくか。
出社する・しないが社員の自由になったとして、出社するメリットを感じられる場づくりをしていきたいですね。
和田:経営支援においても、事業や組織体制が激しく変化する中、サポートすべき内容も変化しています。
コロナ禍では旧来紙でおこなっていた手続きを変えていく必要がありましたし、通訳・翻訳チームではzoom会議のサポートも始まりました。
今後控える経営統合によっても、大きく変化していくはず。そうした 変化に柔軟に、迅速に対応し、適宜必要な機能・サポートを提供できる組織でありたいですね。
松尾:コーポレートコミュニケーションの観点では、社員ひとりひとりが、LINE Fukuokaという企業やサービスの力を信じて、 福岡からLINEの未来をつくるという強い意思を持って取り組める状態をつくり続けたいと思っています。
世界で戦うチャレンジをする中で、中にいる社員が自分達の強みや弱み、働く楽しさを感じ取り、迷わず進めるようにするために、社内外のコミュニケーションをつくっていきたいですね。
―最後に、センター長の和田さん、片野さんにお尋ねします。
LINE Fukuokaのコーポレート部門を、今後どんな風に進化させていきたいですか?
和田:会社や事業の変化に応じて様々な支援、役割が増えてきました。
どれもその時々の課題やニーズを捉え、生まれてきたものです。解決が難しいことも時にはあるかもしれないですが、引き続き様々な課題に皆さんと向き合い、成長・進化していきたいです。
片野:強い組織であり続けるためには、「変化に対応する」というのももちろん必要ですが、 「自ら変わり続ける」意識がとても大切だと思っています。
きっかけがコロナのようなネガティブな外的要因であったとしても、そこからさらに想像力を働かせて、さらなる進化に繋げていく。
一般的に「守り」と言われがちなコーポレート部門が、 自ら変わり続けて事業を支えていく、そういう強い組織に進化していきたいですね。
編集後記:LINE Fukuoka Press編集部
直近、コロナ禍においても特に多くの変化を余儀なくされ、多忙を極めたコーポレート部門。
その際、 「感謝の気持ちを伝えませんか?」という呼びかけに、多くの社員が応じたことも非常に印象的でした。
支社ではなく一法人であり、抱える機能も多岐に渡るLINE Fukuoka。彼ら「縁の下の力持ち」の支えによって、今日も社員はチャレンジを続けることができます。
片野さん、和田さん、品川さん、海田さん、松尾さん、ありがとうございました!
7周年企画、次回は「地域との共創」編をお届けします。どうぞお楽しみに!
▼本記事に登場した組織の採用情報
▼本記事に登場した組織の採用情報
<コーポレート>
▼7周年記念企画 LINE Fukuokaの7年とこれからを語ろう【全7回】
1)11月10日公開
2)11月11日公開
3)11月12日公開
4)11月13日公開
5)11月16日公開
6)11月17日公開
7)11月18日公開